修復によりキューピッドが現れた《窓辺で手紙を読む女》は見逃せない! 『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』東京都美術館にて開幕
2017年より修復が開始され、上塗りされた絵の具を丁寧に取り除く作業が開始された。そして2019年に、壁からフェルメールが描いたキューピッドが出現。作品の佇まいは大きく変化した。
同展では、修復前の《窓辺で手紙を読む女》の複製画を作品の隣に配置。修復前後の違いを見比べることができるようになっている。
サビーネ・ベントフェルト《窓辺で手紙を読む女(フェルメールの原画に基づく複製)》2001年 個人蔵
修復作業を追った資料映像の展示
また、この世紀の大修復の過程を映像資料やパネルなどで紹介。気も遠くなるほどの緻密な作業が行われていたことがわかる。
フェルメールが得意とした風俗画のほか、オランダでは新しい絵画ジャンルが次々に生まれていた。「オランダの静物画―コレクターが愛したアイテム」の章では、16世紀後半以降に生まれた静物画を取り上げる。トロンプ・ルイユ(だまし絵)や、花や果物をモチーフにした静物画は、貿易で富を築いた市民に非常に人気があった。
ワルラン・ヴァイヤン《手紙、ペンナイフ、羽根ペンを留めた赤いリボンの状差し》1658年ドレスデン国立古典絵画館蔵
ヤン・デ・ヘーム《花瓶と果物》1670-72年頃ドレスデン国立古典絵画館蔵
「オランダの風景画」