映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』より「Simmer Down」の歌唱シーンを公開
数年後に来い」と一蹴されてしまう。
しかしその場から立ち去られてしまうも諦めず、とっておきの勝負曲「Simmer Down」を披露するとスタジオの空気が一変。“落ち着いて カッとなるなよ 落ち着いて 争いが広がる”とピュアなメッセージを込めた歌詞が、明るくアップテンポに響き渡り、楽曲に心奪われたドッドは踵を返し、ブースの向こうからも飛び出さんばかりにノリノリで晴れて録音が決定する。
“レゲエミュージック”が確立する前、ジャマイカでは“ロックステディ”や“スカ”と呼ばれる音楽がポピュラーで、その潮流に乗ってきた新たなヤングスターの1曲は、その後ヒットチャート1位を獲得。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズはスターダムへの第一歩を踏み出し、アーティストとして洗練される中で“レゲエ”の発展を牽引する存在となって世界へと羽ばたいていくことになる。
劇中で若き日のボブとリタを演じたのは、ジャマイカ人の若手俳優フアン・ダジャイ・ヘンリケとニア・アシ。ティーンエイジャーらしい、粗削りながら希望ある未来を切り開かんとするエネルギッシュなふたりを好演し、この先の様々な苦難とも向き合っていく晩年のシーンとの対比もあって、劇中でもひときわ輝きを放っている。