BUCK-TICK、日本武道館から再び歩みはじめた希望のパレード「行こう!未来へと」
そして、差し伸べた手の先にある未来もしっかりと指し示してくれた。終演後に2021年秋の全国ツアーと、12月29日(水)日本武道館公演の開催を発表。未だ光の見えない世界に、また明るい希望をくれた。
今井 寿(写真:田中聖太郎)
樋口 豊(写真:田中聖太郎)
掲げられたピースサイン、熱となり伝わる声なき興奮
定刻を少し過ぎた頃、新たなアレンジを加えたSE「THEME OF B-T」をバックにステージ前の紗幕には、クリスタルやダイヤモンド、その上をひらりと舞う青い蝶と、『ABRACADABRA』のアルバムジャケットの世界が映像となって展開された。ツアータイトルが砂塵となって消え去るのを合図に、「月の砂漠」がスタート。オリエンタルな楽曲とリンクするように、砂漠のビジョンがメンバーの前に広がった。櫻井が時折鳴らすディンシャのキーンと澄んだ音が、会場の空気を浄化していくようだ。続く「ケセラセラ エレジー」のイントロで紗幕が落ちメンバーの姿が露わになると、ぶわっと会場の熱が2、3度上がるのを体感した。確かに目の前にメンバーがいる。声なき興奮が熱となって伝わってきたのだ。「獣たちの夜 YOW-ROW ver.」