全点日本初公開!『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』 展示の様子をレポート!
「イギリスにおけるフランス近代美術受容」の全7章立て。“イギリスとヨーロッパの大陸交流”という視点から、西洋絵画史を俯瞰していく内容だ。第1章では、19世紀半ば以降のイギリスで再評価が進んだ初期の「イタリア・ルネサンス絵画」を紹介。15世紀イタリア・ルネサンス初期の画家、クリヴェッリによる《聖エミディウスを伴う受胎告知》や、16世紀ヴェネツィア派のティツィアーノが、復活したキリストとマグダラのマリアが出会う場面を描いた《ノリ・メ・タンゲレ》など、地域の優れたコレクションが並ぶ。
展覧会場入り口
カルロ・クリヴェッリ 《聖エミディウスを伴う受胎告知》 1486年
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《ノリ・メ・タンゲレ》 1514年頃
第2章で焦点を当てるのは17世紀のオランダ絵画。レンブラントによる《34歳の自画像》や、フェルメールの《ヴァージナルの前に座る若い女性》といった巨匠たちの傑作をはじめ、イギリスで特に人気の高かった風俗画や海洋画も併せて展示される。
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 《34歳の自画像》 1640年
ヨハネス・フェルメール 《ヴァージナルの前に座る若い女性》 1670-72年頃
第3章では、17世紀前半から18世紀のイギリスで重要な画家を多数輩出した肖像画の分野にスポットを当てる。