くらし情報『尾上松也「冒頭から結末までワクワク」 北村想『夫婦パラダイス~街の灯はそこに~』で憎みきれないクズな夫に』

尾上松也「冒頭から結末までワクワク」 北村想『夫婦パラダイス~街の灯はそこに~』で憎みきれないクズな夫に

今まで読んだことのないような感覚の台本で、それがずっと落ち着くことなく、最初から最後まで一貫して起こっている感じ。非常に面白かったですし、これからのお稽古でその謎と感覚をどう自分たちの中に落とし込んでいくのか。それはとても面白そうな作業だなと思っています。

――松也さんが演じられるのは、『夫婦善哉』の主人公と同じ名の「柳吉」です。ふたりの柳吉の間にどんな共通点が?

尾上松也「冒頭から結末までワクワク」 北村想『夫婦パラダイス~街の灯はそこに~』で憎みきれないクズな夫に


役名は同じですが、『夫婦善哉』の柳吉はとことんクズですからね(笑)。なにをやっても憎み切れない、どうしても愛されてしまう、そういう人物像は変わらないのですが、こちらの柳吉はあそこまでどうしようもない奴ではないというか……。少なくともやりたいことが明確にある人物だと思います。

――それが“浄瑠璃パンク・ロック”ですね。


ええ。ちょっとわけのわからないジャンルですが(笑)、少なくとも柳吉はそのために生きている。これまで僕はあまりパンク・ロックと触れ合う機会はありませんでしたが、あの旋律と音色、リズム感というのは、いわゆる伝統芸能、特に歌舞伎との相性は絶対にいいと思っています。僕自身、いつか“パンク・ロック歌舞伎”を上演したいと思っているくらいですから。

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