森山直太朗、一〇〇本ツアーを振り返る独占インタビュー “この長いツアーで僕はようやく成人式を迎えられたんです”
でもその感覚を共有できるまでには、ある程度時間がかかるのかもしれませんね。だから今回100本やったことはとても大きかったなと思いますね。言ってしまえば、追加公演も含めてこの長いツアーは、感覚を共有できる仲間づくりの一貫だったんだなと、今こうやってお話をしながら思いました。
――ああ。
ものすごく大胆な自分と、こんなことやっちゃっていいの!?っていうすごく保守的な自分の両方がいて、普通に考えたら、20周年のアニバーサリーツアー本編の最後を飾る曲が「どこもかしこも駐車場」って、どうなんだろう?って思うし(笑)、保守的な自分はやめとけって言うんですけど、今回はこれで本編を終わるのが正解なんだって押し切れたんですよね。わかってくれるはずだって思えたというか。信じられたというか。それはここ5年くらいで僕自身の環境とか人間関係も変わって、失うものなどない……というか、そもそも失うものなどなかったんだっていう感覚があったことも大きいと思いますね。
このツアーが、例えば僕以外にイニシアチブを執る人がいて、というならまた話は違っていたんでしょうけど、大勢のスタッフに支えられながら、あくまで自分の意思で、自分のやりたいことをやっているのだから、ブレーキを踏んでしまったら意味がなくなってしまう。