マーティン・スコセッシ「日本の文化と伝統の真髄を捉えている」 篠田正浩監督作『夜叉ヶ池』が4Kで42年ぶりに復活
は、迷いこんだ池のほとりで、息を飲むほど美しい女性と出会う。百合(坂東玉三郎)というその女性は、夫と二人で鐘楼守をしているという。家に招かれた山沢は、かつての親友で、夜叉ヶ池の調査に出たまま帰らぬ晃(加藤剛)が百合の夫であることを知り驚愕する。夜叉ヶ池には竜神が封じ込められていて、一日に三度鐘を撞かなければ竜神が再び暴れて洪水を引き起こし、村が流されてしまうため、鐘楼守をすることになったのだという。しかし、ある出来事がきっかけとなり、平穏な日々が破られることになるのだった――。
脚本は、篠田監督とともに松竹ヌーヴェルヴァーグと称されたメンバーの一人で、多数の作品を手掛けた田村孟と、『天城越え』(1983年)などの監督作品で知られる三村晴彦。撮影は小杉正雄と坂本典隆、音楽はシンセサイザー音楽作家としても世界的に知られる冨田勲、美術はアーティストとしても名高く舞台美術でも著名な粟津潔、朝倉摂、横山豊と、各界でトップランナーとして活躍する錚々たる顔ぶれが集結している。また、鏡花の幻想的な世界観を表現するために、日本の特撮技術の基礎を築き、『宇宙からのメッセージ』(1978年)、『里見八犬伝』(1983年)