2024年1月29日 12:00
『身代わり忠臣蔵』ムロツヨシ演じる“吉良”が主役!豪華キャストの度肝を抜く時代劇コメディ【おとなの映画ガイド】
一方、末弟の孝証はなまぐさ坊主で、金の無心にきては上野介にうとまれている。五人兄弟のなかでもことのほか姿形がよく似ていて、旅暮らしの苦労で顔もくたびれていて、髪を整え、ちゃんとしたみなりにすればうり二つ。だが、兄貴と違って、ちゃらんぽらんだが、人にやさしく、おつきの女中・桔梗(川口春奈)に恋い焦がれるという純な一面もある。
浅野内匠頭(尾上右近)の江戸城での刃傷で、赤穂・吉良両家は、将軍綱吉(北村一輝)、側用人柳沢吉保(柄本明)にとってはともに不快な存在。実力者上野介がいなくなれば、赤穂家同様、吉良家も断絶の可能性がある。
危機をのりきろうと上野介の側近斎藤宮内(林遣都)が考えたのが、身代わり作戦というわけだ。
この二役にムロツヨシを持ってきたところが、大正解。
企画・プロデュースの橋本恵一は初めて企画書を書いた段階から主演はムロツヨシに決めていた。「ムロさんって、すごくムカつく役をやられても、なぜか愛される不思議なオーラがある。本作は吉良上野介というイヤな奴と、孝証という最初はダメだけど変化していく奴の二面性、いや三面性が必要。それにはムロさんしかいなかった」という。