2024年1月29日 12:00
『身代わり忠臣蔵』ムロツヨシ演じる“吉良”が主役!豪華キャストの度肝を抜く時代劇コメディ【おとなの映画ガイド】
ムロツヨシが演じる、身代わりとなった孝証の「間違えたら謝ればいいじゃん」といったりする現代的な感性、いい加減さ、軽快さが、ドラマを思いもかけぬ方向へ引っ張っていく。
さらに大胆なのは、この身代わり上野介が、こともあろうに、大石内蔵助と顔見知り、どころか、親友といってもいい関係だったというのが、2番目のぶっとびどころ。せしめた身代わり料で、遊郭に繰り出し、どんちゃん騒ぎをする孝証は、なんとその店で、これまた大宴会中の侍と出会う。偽名を名乗り、おたがいの実の姿を知らないで意気投合。後日、ふたりは再会し……。
ここからは、とんでもない展開、と申し上げておきましょう。荒唐無稽! でもありえるかもと思わせるストーリーだ。
永山瑛太が大石内蔵助、ときいて、ちょっと若すぎなのではと思った。永山は41歳。が、調べてみると、大石は諸説あるようだが、討ち入りのときは、44歳前後のようで、それほど無理はない。
古くは長谷川一夫とか、萬屋錦之介、三船敏郎といった、大御所で、貫禄たっぷりの俳優が映画やテレビで演じた役なので、もっと年をとっていると思い込んでいた。
吉良上野介は61歳。ムロツヨシは48歳になったばかりだが、二役で演じる吉良家五人兄弟の末弟ということなので、こちらもわりと自然。