又吉直樹とモトーラ世理奈が醸し出す、椅子をめぐる「ありきたりじゃない世界」【WOWOWオリジナルドラマ 椅子】
第4話『オモイデ』
過去のものを現代的に解釈して作り直していくというのが……もちろん、当時のものを今使うというのも面白いと思いますが、螺旋みたいに徐々に上に積み上がっていくような、「より面白いものを作ろう」という考え方にすごく共感できるんです。
Y-チェアがまた将来、誰かによってさらに現代的に解釈されたらどうなっていくんだろう?とも思いますよね。そうやって、座るだけじゃなく、いろんな情報や物語がある椅子というものが好きなんです。
第4話『オモイデ』
モトーラ台本を見たときに“Y-チェア”って書いてあったので、「どんな椅子だろう?」と調べてみたら、カフェとかスタジオで見たことがある椅子だったんです。でも、Y-チェアという名前がある椅子なんだっていうのは考えたこともなかったので新鮮でした。
座りやすさとかまで考え尽くされて、ああいった形になったんだって思うと……今回の作品を通して、Y-チェアという椅子を見たときに感じることが大きく変わりました。
──おっしゃるように、今作を通してあらためて「椅子って自分の生活に寄り添っているものなんだな」と気づかされました。椅子の他に、自分の生活に寄り添っていると感じるものはありますか?
又吉僕は本、主に小説ですね。