リドリー・スコット監督『ナポレオン』はスケールがケタ違い! 戦闘シーンも愛欲シーンも、ごまかしなし。──【おとなの映画ガイド】
ナポレオンの知られざる一面。実はリドリー・スコットが描きたかった、戦闘シーンと並ぶ、映画の重要なもうひとつの柱だ。
ジョセフィーヌは、離婚歴があり、ふたりの子持ち。正直、こんな人に出会っちゃったら人生変わるよなあ、というタイプ。ナポレオンはこの蠱惑的な「年上の女」にいちずな愛をそそぎ、戦地からも膨大な数のラブレターを送り続けるのだが、彼女は他の男と浮気をしてしまう。手玉にとられ、それでも彼女なしにはいられない。英雄が無力なひとりの男になる。リドリー・スコットは「彼は私生活でも妻ジョセフィーヌとロマンティックな戦争を繰り広げていた」と語る。
結構大胆なラブシーンも多い。このうえない世界史の勉強になる、おとなの映画なのです。
文=坂口英明(ぴあ編集部)
【ぴあ水先案内から】
真魚八重子さん(映画評論家)
「冒頭のマリー・アントワネットのギロチン台のシーンが、すでにリドリー・スコットらしい……」
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中川右介さん(作家、編集者)