400年前にタイムスリップ!豪華絢爛「名古屋城本丸御殿」が完成
しかし、幸いにも豊富な史料は焼失を逃れ、それが今回の復元への実現に至りました。生き残った史料のおかげで、外観・構造とも細部まで忠実な復元を果たしています。さすがは格式高き御殿!とにかくどこを見ても、非常に精巧な造りなのです。
主要な木材には木曽川上流域の森林地域に分布する「木曽桧」を使用。継手・仕口により木材を組み立てる伝統工法を採用しています。障壁画は復元模写により当初の色彩を実現し、これに金色に輝く飾り金具があいまって、400年前の壮大な空間を再現しています。まさに匠の技が集結した細やかな手仕事の連続です。これらを10年で成し得たと考えると、決して長い年月ではないような気がします。
完成公開最大の見どころは、豪華絢爛な上洛殿
さて、今回の完成公開による見どころは、なんと言っても将軍のお成御殿の上洛殿でしょう。
上洛殿は本丸御殿で最も格式の高い建物で、天井には板絵、部屋の境には極彩色の彫刻欄間がはめ込まれています。障壁画は狩野派の最上位とされる山水(水墨画)。これぞ、名古屋城独自の荘厳な世界観です。
ほかにも、将軍をもてなす上級家臣の控えの間として使われた「梅之間」や、対面所と上洛殿を結ぶための廊下「鷺之廊下」