くらし情報『「ひき逃げ」になる可能性も…交通事故を「警察に言わないで解決」してはダメな理由』

「ひき逃げ」になる可能性も…交通事故を「警察に言わないで解決」してはダメな理由

 

■「ひき逃げ」により刑が加重される

道交法72条では、交通事故時の報告義務とともに、救護義務定めています。

したがって、交通事故を起こした運転者は、負傷者(被害者)の救護をする義務があります。

交通事故を起こしたにもかかわらず、負傷者の救護もせずに、現場から逃亡する(ひき逃げ)行為は、救護義務違反として、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。


■「殺人罪」が適用されるケースも

さらに、交通事故によって被害者に重傷を負わせたにもかかわらず、救護もせずに被害者の身体を匿うなどして救護を困難にし、結果、すぐに救護すれば助かったのに被害者が死亡まで至った場合には、(不作為の)殺人罪が適用されるケースもあるとされています。

交通事故の直後は、気が動転し、会社や家族のことが頭をよぎって逃亡する誘惑にかられるかもしれませんが、ひき逃げや報告義務違反は、さらに悪い結果しかもたらしません。不幸にも交通事故を起こした場合は、速やかな警察への報告と救護をしましょう。

*この記事は2015年11月に掲載されたものを再編集しています

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。

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