囲碁のプロを目指した弁護士に学ぶ「勝負強さ」の秘訣とは
そう思いますね。私は、中学時代は「ヒカルの碁」という漫画を読んでプロ棋士を目指して囲碁をしていました。中学1年生で囲碁を始めて中学3年生の時には五段を取得したものの、プロ棋士になるための壁の高さに挫折して、プロの棋士になる夢は諦めましたが、勝負の世界に身を置いていたことは今の私にとって大きな経験となっていると考えています。
中学生ながら「勝ち」と「負け」で天と地の差ほど違うという経験を味わうことができましたからね。もちろん、弁護士の仕事は「勝ち」「負け」だけの世界ではありません。それでも相手が必ず存在している仕事である以上、勝負にはこだわって仕事をしています。
__弁護士の仕事と囲碁は通じるところがありますか?
やっている内容は全く違いますが、通じるところはあると思います。囲碁も弁護士の仕事も人間同士が戦いますので、駆け引きなど、似ているところはあります。
例えば、囲碁では勝ちすぎないことも重要です。最善の一手を常に打ち続けることが囲碁では求められるのですが、勝ちを欲張りすぎるとバランスを崩してしまい、余裕で勝てたはずの勝負であっても、負けてしまうことがあります。
これは弁護士の仕事でも同様で、例えば交渉の際、自分が相手よりも圧倒的に有利な立場にいた時に相手を追い詰め過ぎてしまうと、かえって話がまとまらなくなるといったケースなどがあります。