民事裁判では、原則としてお金を返して欲しい人が返してくれない人を訴えることから始まります。
訴える人を「原告」、訴えられた人を「被告」と呼びます。まず原告は、「訴状」という、被告を訴えたい内容を記載した書面を裁判所に提出します。細かいことをいえば、印紙を貼ったり、裁判所に送達用の郵券を予納したりといったことも必要です。
訴状の内容も重要です。裁判所で訴えの対象となるものかどうかがチェックされます。裁判は、法律で解決できる問題しか取り扱いません。大袈裟な例えですが、「『あの人は僕のことを好きになるべきだ』ということを裁判してくれ」と、いくら訴状に熱い思いを書いても、裁判にしてもらえません。
この訴状が被告に届けば、裁判が始まります。もし、住所が間違っていて被告に届かなければ、裁判は始まりません。実際、裁判実務をしていて、この訴状が届くかどうかというところで悩ましい事件もたまにあります。
被告に訴状が届いたら、被告は訴状に対する意見を書いた「答弁書」という書面を出すよう、裁判所から指示されます。もし、この答弁書を出さずに裁判に欠席してしまうと、訴状に書いてあることについて争わないという態度とみられ、敗訴してしまうことがあります。