駅の非常停止ボタンをいたずら目的で押した場合は逮捕される?
どちらの罪も、罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。なお、いたずら目的で非常停止ボタンを押したことによって、他の電車の運行停止や運転時隔の短縮、送電停止等の措置をとらせるなどの事故発生のおそれを生じさせた場合には、往来危険罪により逮捕される可能性もあります。
では、急病人の保護や乗客同士のトラブル仲裁を目的として、非常停止ボタンを押した場合はどうでしょうか。
これらの場合、列車に接触する危険等がない限り、非常停止ボタンではなく駅員を呼び出す通報ボタンを押すべきですが、いたずら目的のような悪質さはないため、押すべきボタンを間違えたからといって逮捕されることはありません。
電車を遅延させた場合は鉄道会社から損害賠償請求される?
「電車を遅延させると、鉄道会社から損害賠償請求される」と聞いたことがある方も多いかもしれません。しかし、事故を回避する目的で非常停止ボタンを押した場合、電車が遅延することになっても、損害賠償を請求されるとは考えがたいです。非常停止ボタンは、まさに、急いで電車を止めて事故を回避することを目的としたボタンだからです。
他方でいたずら目的で非常停止ボタンを押したり、自身が原因で電車を止めたり、遅らせたりすると、鉄道会社から損害賠償を請求される可能性は十分にあります。