民主主義の精神に反する、一番の愚行とは? ~「選挙」を考える『日本国民のための 【明解】 政治学入門/髙橋洋一 著』より紹介
つまるところ、「あなたは国会議員に何を求めるのか」が問われているのだ。
単に「感じがいいだけの人」ではなく、たとえば「自分と同じ問題意識を持っている人」「公平な人」「実行力がある人」に権限を付託したいのなら、選挙のときに候補者をよく吟味して、そう見える人を選べばいいだろう。
アイドルグループの総選挙で上位になる人には、何かしら「選ばれる理由」があるのだろう。詳しくは知らないが、「容姿がいいから」「努力家だから」「歌やダンスがうまいから」などなど、その理由を決めるのはファンたちだ。
では、同じく人気商売である国会議員の「選ばれる理由」は何なのか。あたりまえだが、それを決めるのは有権者、一人ひとりの国民なのである。
結局は「すべては選挙民が選んだ結果」、それでしかない
選挙は結局、数の論理である。
今の政治家にいくら不満があろうと、その人は、天から押し付けられた為政者などではなく、民衆によって選ばれた為政者なのだ。
選挙で勝つために、各候補者も各政党も、「数」で他を圧倒できるように苦心する。しっかりと公約を打ち出すのはもちろんだが、それだけでは不十分だ。いいイメージを振りまき、自分たちに有利な世論形成を試みる。