2023年2月1日 13:00
85歳の養老孟司さん最新刊『ものがわかるということ』祥伝社より2月1日発売
私は情報化社会という言葉を、違った意味で使います。人間自体が情報になったのです。情報化したのは人間です。》
-少子化・都市化
《都会には人間の作ったものしかありません。人間の作ったものには設計図があります。子どもは違います。うちの子がなんだか変だと言っても、設計図がもともとないので、どこがおかしいのか、はっきりとわかるものではありません。
その意味で、子どもは不合理な存在です。
都会には不合理な存在を相手にしたくない人が大勢います。子どもをもう産みたくない。子どもを持ってもしょうがない。それが少子化です。
空き地の樹木を育てるより、もっと確実に儲かる話があるんじゃないか。こうやったら立派な木に育つんじゃないかというふうなことについては、考えたくない。そのくらいなら、きちんと計算できて結果が出ることをやりたい。学校秀才の世界です。
地方でも学校秀才が増えれば、自然がなくなり、子どももいなくなります。ですから、少子化と地方の過疎化は同じ現象です。現に都市には人が大勢います。日本中が都市化した結果です。》
-SNSは純粋脳化社会
《実際にスマホやパソコンの前には生身の身体があります。気に入らない文章を読めばイライラする。