2023年2月1日 13:00
85歳の養老孟司さん最新刊『ものがわかるということ』祥伝社より2月1日発売
怒鳴りたくなる。感覚がなくなったわけではない。でも、その感覚を察知してくれる相手の身体や感覚がないわけです。
身体や感覚のイライラをまた概念でなんとかしようとするから、言葉はどんどんエスカレートしていきます。SNSで過激な言葉で他人を非難して、それなりのリアクションが返ってきたりすると、その瞬間は気持ちがスカッとするでしょう。しかし、ほんの一瞬のことです。その人自身の問題が解決されたわけではなく、単に先送りされただけです。SNSを離れれば、前と変わらない日常が待っています。
すると、またスカッとしたくなりSNSに戻ってくる。自分の言葉に対するフィードバックが心地よいことを覚えると習慣になり、過激さはエスカレートしていきます。こうしてSNSは始終ギスギスし、あちこちで炎上が起こるのです。》
【書誌情報】
・書名:ものがわかるということ
・著者:養老孟司
・定価:1,760円(税込)
・仕様:四六判ソフトカバー
・発売:2023年2月1日
・ISBN:978-4-396-61763-9
・発行:株式会社祥伝社
撮影/津田聡
【著者プロフィール】養老 孟司(ようろう たけし)
1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。