肥前佐賀藩主の妻、鍋島榮子の生涯を描く歴史小説『鹿鳴館の花は散らず』7/24発売
また本年、愛子内親王殿下が就職なさった日本赤十字社が発足当時から皇室とともに歩んできた歴史もわかる1冊です。
肥前佐賀藩を雄藩にした義父、鍋島直正
榮子の義父である鍋島直正は、日本を諸外国から守ろうと近代化を進めた幕末の賢人です。特に本書では、日本赤十字社の初代社長である佐野常民を語り部として、直正の革新性が描かれています。有名な反射炉だけではなく、アームストロング砲の自藩製造や蒸気船の鋳造、天然痘予防のための牛痘接種の導入など、他藩に先駆けて近代化の取り組みを積極的に行なった直正の先見性には目を見張るものがあります。こうした精神は、息子の直大にも引き継がれ、榮子とともに日本の国際的な地位向上のために、鹿鳴館外交や日本赤十字社発足に尽力しています。激動の時代の中、榮子と直大が苦悩や葛藤を抱えながらも、互いに助け合う夫婦愛も本書の読みどころです。
『鹿鳴館の花は散らず』について
【あらすじ】
明治初期、近代国家としてスタートしたばかりで、東洋の小国に過ぎなかった日本にとって、国際的地位の向上は急務だった。公家の娘として生まれた榮子(ながこ)は、岩倉具視の長男に嫁ぐものの、若くして死別。