30以上の組織のトップを歴任する、医療法人社団 成仁会 理事長/長田病院 院長・松井 住仁氏のインタビュー公開!
【著者インタビューVol.2】『謙虚力』の極意は相手7:自分3のバランス :
https://wadainohon.com/kenkyoryoku/authors/interview_vol-2/
インタビュー記事一部をご紹介
▼著者インタビューVol.1「『謙虚力』を磨いた多くの失敗と自省」
――先生はいつ頃から「謙虚力」ということを意識されるようになったのでしょうか。
もの心ついたときにはすでに、そういった意識があったように思います。一番は父の影響です。父が「陰徳」という言葉をよく口にしていました。
誰も見ていなくても、評価されなくても、自分が善いと思うことを行え、という意味です。
父は信州高遠藩(現在の長野県伊那地方)の御殿医だった家系に生まれました。小さいときに父親をなくし、苦労して医師になった後、東京・目黒で開業しました。
昔はいまのように優れた医薬品も便利な治療器具もなく、そう簡単に患者さんを治すことはできなかったはずです。
だから常に謙虚に、自分のできる最善を尽くすという意味で、「陰徳」を心がけていたのだと思います。
父が若い頃は救急車もなく、季節の変わり目など急患の多い時期は、夜中に起こされてもすぐ往診に行けるよう、座布団に横になって仮眠していたといいます。