30以上の組織のトップを歴任する、医療法人社団 成仁会 理事長/長田病院 院長・松井 住仁氏のインタビュー公開!
私が医師になって父の代わりに往診に行ったとき、「大先生は夜中の12時に往診に来て、注射を打ったらそのまま柱に寄りかかって眠り、朝の6時にまた注射を打って帰っていきました。そのおかげでいま、私は生きていられるんだよ」とおっしゃったのが印象的でした。
そんな父はまさに生涯現役を貫き、99歳で亡くなるほんの2週間前まで患者さんを診ていました。
もう一人、影響を受けたのは、同居していた祖父です。祖父は地方議会の議員をしていて、選挙になるとよくこう言っていました。「街頭演説では誰も見ていないと思っても、必ずどこかに部屋から演説を見ている人がいる。どんなときも、裏表のある振る舞いをしてはいけない」。
だから僕は、小さい頃から相手が誰であれ、まずは黙って話を聞いたり、何かしてもらったら必ずお礼をいうように努力はしていました。
大人になってからも、仕事の内容によって人をランク付けするようなことはせず、誰に対してもきちんと同じように接するようにしています。こういったことは、祖父の影響でしょう。
▼著者インタビューVol.2「『謙虚力』の極意は相手7:自分3のバランス」
――本書を出版しようとお考えになったきっかけを教えてください。