2023年5月9日 11:00
中高年者の筋力維持にタウリンが寄与する可能性を発見
【研究成果】
筋力とタウリン摂取に関し、高用量(1,000mg/日 以上)のタウリンを短期的に摂取した際の影響を評価する研究は多くあります。一方、食事由来のタウリン摂取(平均100~300mg/日)の長期間にわたる筋力への影響はほとんど報告がありませんでした。そこで今回、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターが保有するデータを解析することにより、その関係性を検討しました。
その結果、40歳以上を対象に8年間の体力変化とタウリン推定摂取量の関係を評価したところ、タウリン推定摂取量が多い人ほど筋力を維持していることが分かりました(図2)。
図240歳以上(1,154人)の膝伸展筋力変化量
また、65歳以上に限定すると、タウリン推定摂取量が多い人は8年間における筋力低下が半分程度に抑制されていました(図3)。
図365歳以上(238人)の膝伸展筋力変化量
【研究成果のまとめ】
今回のデータ解析により、中高年者の筋力維持にタウリンが寄与する可能性が示唆されました。
食事由来のタウリンの多くは、魚介類から摂取されているため、人によっては摂取量が少なくなりがちです。日々の運動と共に、積極的にタウリンを摂取することが、筋力維持のサポートになると期待されます。