即興で生む1日限りのパフォーマンス 岩渕貞太『リバーズ・エッジ』でClafT(中央線芸術祭)4度目の参加 チケット発売中
しかし同時に、パンデミックという大きな転換点は私たちの未来への分水嶺となって多くの問題を可視化し始めているようにも思います。
SNSをはじめとするオンラインコミュニケーションの台頭は、それらメディアに関わる個人の心的バランスに大きな変化をもたらしています。また、パンデミック収束に伴う国境を越えた人の移動の再開は、多くの地域でオーバーツーリズムを引き起こし、地域環境への配慮が世界的に呼びかけられるようになりました。一方で、中東やウクライナ地域で起きている紛争に解決の糸口は見つかっておらず、未だ多くの人々が不安な日々を送っています。
パンデミックから現在、非常に重要な時期をむかえている世界の情勢や国内のあらゆる状況のなかで、個人の日常生活において尊重されるべきは「心」のありようなのではないでしょうか。
アートは分野や時代の別だけでなく、人種や地域などの属性や、あらゆる障害を超えて普遍的に人の心に作用するものです。その作用には、多様性に満ちた社会に向かうための理解と、言葉を介すことなくとも心を通わすことができる共感が備わっています。また、加速し続ける情報化社会や不安定化している世界情勢と自然環境のなかにあって、個人の心を助け、整え育むものでもあります。