霜降り明星せいや、当たり前になった“肩パン”「顔が引きつるが耐えた」 高校時代の壮絶な経験明かす
そこが現代社会におけるいじめの複雑なところなのだ。
でもイシカワはあきらめなかった。
学校は休めない。休めば親に心配される。地元の友達にも、「あの明るいイシカワが学校でいじめにあっている」なんて、そんなことは絶対に思われたくない。簡単にいじめを言い出せないのは、そういう心理もある。
しかし、イシカワに嫌がらせをするバリエーションはどんどん増えていった。掃除のロッカーのなかに入れられて、外から「ドンドンドンドン!」と叩かれる。
暗闇のなかの出来事だし、これだけでもけっこうなストレスなのだが、これはまだ序の口に過ぎない。さらに「ドーン!」と大きな音がすると、イシカワの体は真横に倒れ込んだ。そう、なんとロッカーごと倒されてしまったのだ。しかもドアが地面の方向に水平に倒されるので、かなりの衝撃であるとともに、ドアが下なので、自分のタイミングで開けられない。ロッカーから出る権利さえ与えられないのだ。それでも黒川たちは「ゾンビだ!」と言いながらロッカーを開けて遊びのように立ち振る舞い、周囲の目からは“じゃれあい”なのか“いじめ”なのかわからないようにしていた。
それでもイシカワは耐えていた。耐えれば大丈夫。