くらし情報『「人間性のカケラもない」、影武者本人がフセイン長男との悪夢の日々を激白』

2012年1月12日 18:42

「人間性のカケラもない」、影武者本人がフセイン長男との悪夢の日々を激白

当時のトラウマを克服し、「映画みたいに馬に乗って逃亡はしなかったよ」と笑えるようになった一方で、イラクの現状に絶望に近い感情を抱いている。「2003年のアメリカの侵攻ですべてが変わった。アメリカはサダムを一方的に悪人と言うが、サダムが国民のために中東一の道路網を作り、住宅環境やインフラを改善し、医療や教育のシステムを改革したことも事実なんだ。ユニセフでさえもサダムを中東で最高の内政家だと評価していた。イラクの国民も、尊厳と教養を兼ね備え、訪問者を歓迎するのが大好きな幸せな人たちだった。しかしすべてが破壊された今では、わずかな米ドルを得るために親兄弟や友人同士が殺し合うようになってしまった。生まれ育った家も米軍の爆撃でなくなったし、もう自分がイラクに戻ることは考えられないよ」

現在のラティフ氏はアイルランドで暮らし、人権擁護団体のメンバーとして活動を行っている。「20年前に西側に亡命したときには、独裁政権のイラクと違って人権や言論の自由が約束されていると信じていた。
しかしCIAに協力しなかったことで私は拷問にかけられ、書いた本は発禁にされ、いまだにどこの国の市民権も得られていない。結局どこの国もシステムが違うだけで、民衆に真の自由は与えられてはいないんだ」

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