くらし情報『公平な結末は信じるな! 鬼才ギレルモ・デル・トロが語る“ホラー映画”』

2012年6月28日 17:11

公平な結末は信じるな! 鬼才ギレルモ・デル・トロが語る“ホラー映画”

「商売人根性の、経済的な計算から生まれたリメイク作品ほどひどいものは無いと思う。でも、デイヴィッド・クローネンバーグは『ザ・フライ』をリメイクして、良質だったオリジナルを超えるものを撮った。リメイクをする時に注意しないといけないのは、ただ単に古い素材を頼ってリニューアルするのではなく、監督・脚本家・プロデューサーがちゃんとゼロからアイデアを考えて、その古い素材を上手く進化させることが大切だ」。

ちなみに本作はその映像美だけでなく、先の読めない物語も魅力だが、そこにはデル・トロの考える“ホラー映画観”が息づいている。「あまりネタバレはしたくないけれど、テスト試写を行ったとき、一番強いあのキャラクターが最後に恐ろしい運命を目の当たりにするという事実に観客は本当に衝撃を受けていた。でもそれがまた、オリジナルの映画で僕が非常に感銘を受けた部分だった。ホラー映画が怖い理由のひとつは“不公平な部分”が描かれるからだ。近頃のホラー映画のエンディングには、ヒーローは生き残り、モンスターは殺され、すべてはうまくいく、といったしばしば公平な結末が多い。
僕はそういうタイプの結末は信じていない」。

名作『パンズ・ラビリンス』で観客が目にした衝撃的なラストは決して“公平”なものとは言い難いが、多くの観客の心に響き、全世界で数々の映画賞を受賞した。

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