2012年8月10日 18:44
3DCGは“演技”する。日本人クリエイターが語る映画『アベンジャーズ』
私たちは玩具屋ではないから、作ったままではなくて、“そのショットが何を要求しているか”を考えて、手間ヒマがかかってもショットが良くなるものを用意するんですね」。その作業は“映像効果”の範囲を超えて、“演技”の範囲におよぶ。CGで描かれたアイアンマンがどのタイミングで飛ぶのか、攻撃を受けてどのようなリアクションをとるかは、単なる“CG作成”ではなく“キャラクターの演技”に属するからだ。「(山口氏が参加する)ILMにもキャラクターに演技をさせることのできる優秀なアニメーターがたくさんいます。特撮の役割は変わってきていて、アーティストたちが“演技”について考える場所になりつつあります」。
ちなみに山口氏が手がけたアイアンマンのスーツ飛行・変形シーンでは、幼少期に観た日本のアニメの要素が消化され、活かされているという。「変身するときにパーツが分解するんですけど、その部分は日本のアニメのスタイルが活かされてますね。『新造人間キャシャーン』とか『宇宙の騎士テッカマン』を思い出すんですよ。
子どもの頃に観ているから。僕は特別、アニメが好きだったわけじゃないんですけど、子どもの頃にノートとか教科書の余白に描いた怪獣とかロボットの落書きが脳にインプットされているんですね。