2012年12月27日 18:32
名匠アン・リーが語る「新作『ライフ・オブ・パイ…』は“運命”の1作!」
「そう、いろんな問題が山積みでした。たとえば構成です。私はこの現実離れした物語を、誰もが信じられるようにするため、中年になったパイに物語を語らせるという方法を選びました。第三者が一人称で語ることで、観客はその話を体験すると同時に吟味できるからです。そして、それ以上の難問は映像でした」。
映像こそ本作の命であり本作の魂。海の表情を驚くほど豊かに、信じられないほど雄弁にとらえている。それは3Dだからこその美しさでありスペクタクル。
海がもうひとりの主役としての役目を存分に果たしているのだ。「3Dは私にとって絶対でした。これも3Dにすることで第三者の観点を手に入れることができると思ったからです。もうひとつは水と3Dの相性です。3Dで水をとらえると、まったく異なる感覚を手に入れられる。つまり観客は海を体験できるのです」。
賞レースの時期を迎え、ハリウッドでは様々なウワサが飛び交っているが、そのなかでも有力候補の筆頭に挙げられているのが本作。アカデミー賞でも注目されるのは間違いない。
「そうなったら私も嬉しいですね。3000人ものクルーが私のため、この映画のために4年間も働いてくれたのです。もしそんなことになれば、大きな励みになるし刺激にもなる」。