2013年8月16日 16:49
英国女優アリス・イヴが語る『スター・トレック』最新作を楽しむ“ヒント”
キャプテンのイスにはキャロルが座ってもいいぐらいです」と笑みを見せる。
彼女の分析の通り、キャロルは頭脳明晰で自信にあふれていて、クールな女性だ。しかし、劇中では彼女と父親の複雑な関係が描かれ、キャロルが完全無欠な人間でないことが判明する。イヴはそこにエイブラムス監督の“強いこだわり”を見出しているようだ。「JJはとても家族想いの人ですし、家族関係がその人を定義づけると考えているようです。つまり、彼にとって家族関係を描くことは、そのキャラクターのパーソナリティを描くことなんです。だからこそ、この映画でもキャロルと父親のドラマにこだわったのではないでしょうか」。思い返せば前作では主人公カークや朋友スポックの親子関係が描かれたが、最新作でもエイブラムス監督のドラマ作りの“信念”は貫かれているようだ。
親子の葛藤、葛藤、自己犠牲、友情、男女の愛……本作は未来を舞台にしたSF作品だが、そこに描かれているのは普遍的な人間ドラマで、先ごろ開催されたジャパンプレミアには多くの女性もつめかけた。「クリス・パインやベネディクト・カンバーバッチのファンだという方もいたと思いますが、幅広い層の観客の心を掴んでいるのはJJの才能がなせるワザでしょうね。