「子供を亡くした父親という切り口から、いままでに観たことがない物語を語っていることに惹かれた」とメイシー。「さらに数カ月かけて改稿を重ねたんだ。映画の中盤で感情面でのどんでん返しとも呼べる展開があって、あの構成を思いついた時に『これで完成するぞ!』と思ったね」
また主演のビリー・クラダップやアントン・イェルチンが自ら演奏して歌う楽曲が素晴らしく、音楽映画としても出色。「主人公にとっても観客にとっても、死んだ息子の内面を知る唯一の手がかりが音楽なんだ。それに僕はビートルズ世代だから、彼らに負けないくらいの名曲が欲しかった。自らハードルを上げてしまったけれど、楽曲を提供してくれたソリッドステートの2人も、スコアを書いてくれたクレム・スナイドのイーフ・バーズレイも天才的な仕事をしてくれたよ」とコラボしたミュージシャンたちを絶賛する。
劇中ではバンドのベーシストとしてシンガーソングライターのベン・クウェラー、息子のガールフレンド役でセレーナ・ゴメスと本職のミュージシャンも登場。この2人にメイシーが加わったサントラ収録曲『HOLD ON』のMVでは3人一緒に演奏するなど、初監督でなくメイシーのミュージシャン的な側面も新鮮だ。
『君が生きた証』
2月21日(土)より全国公開
イタリア映画界を代表する8名の映画監督が来日!「イタリア映画祭」開幕