フレッドは自身の道を歩み、大きな成功をおさめてきたが、娘に家族を顧みなかったと責められ、これまでの自分の人生に果たして意味があったのかと自問する。老境に差し掛かった男が“これまで”を振り返り、“これから”を高らかに告げるグランドフィナーレを鳴らすまでの物語は、ケインを魅了し、彼は出演を快諾。本作をひっさげて49年ぶりにカンヌ映画祭に出席し「何ももらえなければここまで来ないが、この映画とても気に入っていて、賞がとれなくても関係ないと思った」とスピーチした。
主人公の娘を演じたレイチェル・ワイズ、主人公の親友を演じたハーヴェイ・カイテル、ホテルに投宿中の俳優を演じたポール・ダノも、“ソレンティーノが監督を務めるから”という理由で出演を決めたそうで、伝説的な名女優ジェーン・フォンダは「ソレンティーノには“マエストロ”という言葉がぴったりだと思うわ。映像にも音楽にも造詣が深い監督はそんなに多くない。彼と仕事ができるのは光栄なことよ。そして彼の作品にすっかり魅了されるの」と語る。
名優たちから絶大な信頼を集めるソレンティーノ監督の新作『グランドフィナーレ』は、日本の観客からどのような評価を集めるのか? 公開が楽しみだ。