東北応援無料ツアーがスタート! キャラメルボックスの想いが観客にどう届いたか
演劇集団キャラメルボックスの『賢治島探検記』東北応援無料ツアーが10月7日、作品のタイトルにもなっている宮沢賢治の郷土・岩手県の花巻市交流会館で初日を迎えた。前夜には大雨警報が発令されるほど荒れた天候も、朝にはすっかり回復。どこまでも晴れ渡る空の下、平日の午後にもかかわらず、この日を待ち望んでいた200名近い観客が詰めかけた。宮沢賢治をこよなく愛する地元の人たちの心にもキャラメルボックスが放つ演劇のパワーはしっかりと受け止められたようで、会場は笑いと涙で包まれた。
宮沢賢治を題材にした同劇団の代表作『ブリザード・ミュージック』にも楽曲を提供している音楽ユニット・ZABADAKの吉良知彦が応援に駆け付け、開演前にはミニライブが開催された。ツアー初日の期待が高まる中、「賢治島」を探しにやってきた大学の文学部のゼミの一行を率いる教授(坂口理恵)の第一声で観客は一気に物語の世界に引き込まれていく。作者ゆかりの地ということも俳優たちに影響したからだろうか、全員の演技に自ずと熱が入っていくのが手に取るようにわかる。
劇中劇として演じられる『セロ弾きのゴーシュ』をもとにした『ゴーシュ弾かれのセロ』は、終始コミカルな雰囲気で展開され、この公演の発案者でもある坂口の演技力、いや“人間力”とも言うべき魅力にあふれていた。