ビントレーによる日英共同制作のバレエ「パゴダの王子」がついに開幕!
ビントレーの振付は、同劇場で上演された『アラジン』『ペンギン・カフェ』でも見られたように、エンターテインメント性が強く、2幕では海や炎、星にタツノオトシゴなどを表現。観客をワクワクさせていた。さらに3幕では、王子とさくら姫が皇后エピーヌ派と対決する場面の迫力や、ラストに向かうパ・ド・ドゥと群舞では和のテイストを取り入れた振付が光った。
製作発表でビントレーが語ったように「英国と日本のコラボレーション」が象徴されていた。またレイ・スミスの美術も、歌川国芳の浮世絵をモチーフにしたキャラクターや、伝統的な日本の美をうつした月や山、波が、優しく繊細でありながらも、大胆に彩られていた。バレエでは難しい着物を衣裳に取り入れるなど、様式は残しながらもダンサーに負担のかけない彼女の美が表われていた。そして沢田の照明がファンタスティックに絡まり新しい世界感を紡ぎだしていた。
主演はトリプルキャストとなるが、初日は小野絢子と福岡雄大のコンビが務め、小野は兄を慕うさくら姫を儚くも試練に立ち向かう姿をも美しく繊細に表現。
福岡もキレのある動きと足のしなやかさ十分発揮した踊りを見せた。また影の主役というべき皇后エピーヌを演じた湯川麻美子は演劇的にも妖艶に存在感をしめし会場を楽しませた。
公演は11月6日(日)まで同劇場にて上演。
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