無表情の若者 vs こまどり姉妹! 蜷川幸雄が仕掛ける前代未聞の『ハムレット』
という。今回は舞台装置にアクリル板を使い、ひんやりとした距離感を体現する。「氷の張った池の下にいる金魚を眺めるようなハムレット。報復の連鎖に荷担することを躊躇し、透明な抑圧の中に生きる姿を描きたい」。
翻訳テクストは、藤原竜也が主演した2003年版と同じく河合祥一郎訳。一部カットはするものの恣意的な変更は加えない。そうしたある種の「不自由な条件」の下に他者を信頼し、その言葉を許容していくプロセスに、蜷川は演劇の可能性を見ているようだ。
最大の見所は、演歌歌手・こまどり姉妹の特別出演!蜷川はおよそ40年もの長きにわたり、「生活者の目線」として、極貧生活から這い上がってきた彼女たちの存在を意識してきた。
果たしてこまどり姉妹はどのように舞台に登場し、そこに若い役者たちはどう応えるのか?「3.11で、老人も若者も子供もみんな体育館に雑居する生活のるつぼが生まれた。かつての演歌にあった混沌さのようなものが、一気に露見してくる共通の土壌が今、できたんじゃないか」。
世界的演出家と、無名の若者たち、そして伝説の演歌の女王による実験的『ハムレット』。予想を超えたセッションが生まれそう。チケットは発売中。
取材・文:藤原ちから
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