星野真里と金子貴俊をゲストに迎え、人気作『トリツカレ男』が再演
主人公のジュゼッペを演じたのは、初演に引き続き劇団員の畑中智行。真っすぐに突き進む愛すべき青年役を、高い身体能力と豊かな感情表現により好演した。ヒロインのペチカ役には、キャラメル初参加となる星野真里。見た目のかわいらしさはもちろん、ペチカの複雑な心情を要所、要所ににじませ、観客の心をグッとつかむ愛らしいヒロイン像を作り上げた。ネズミのトト役には、こちらもキャラメル初参加となる金子貴俊。元々金子が備えているキュートなキャラクター性が、トトという役柄と見事にマッチ、その存在をしっかりとアピールして見せた。
また観客の大きな笑いを誘っていたのは、インコのニーナ役の渡邊安理とギャングのボス・ロミオ役の阿部丈二。セリフの間やトーン、予測不可能な動きに加え、衣裳の派手さも目を引く。
そんなふたりの演技は時に過剰とも思えるのだが、本作には不思議とピタリとハマり、逆に大きな魅力へと繋がっていた。
脚本・演出の成井豊が、本作のテーマとして掲げるのは「人を好きになるということ」。その願いは、観客の心に確実に届いているはずだ。公演は同所にて2月29日(水)まで開催。その後、名古屋、大阪を回る。チケットは発売中。
文:野上瑠美子
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