猿は人間になれるのか? 世界中で好評を博した舞台『カフカの猿』が日本上陸!
そうで、「演出家は、女優に猿の役を頼むのは失礼にあたるんじゃないかという気持ちがあったようですが、私は内心とても喜びました。それはチャレンジングな体験なのですから」と楽しそうに話す。ロンドンで上演した時の観客の反応は「外からの視点(移民)でこの劇を解釈した」とロンドンが移民の街であるがゆえの反応だったと分析。新しい国にやってきて言語や習慣を学び、家族や属してきた社会を残して新しい世界に入っていく様が、“ピーター”と同じであると。(移民の国ではない)日本で上演された場合は「進歩、進化の話として受け取られるかもしれないと思う」と語る。「人間になることを学ぶプロセスが語られてはいるが、同時に人間がいかに暴力的であるかを暗示する物語でもあります。人間は権力に固執し、破壊的な存在でもある。“ピーター”は学会の報告会でひとつ興味深い質問をします。
『進化に伴う代償は何なのか?』」。ハンターはこの質問はとても重要であると語る。グローバルな社会でコミュニケーションの方法が多様化した現代において、それに伴う代償は何なのかと問う。だからこそ「生きた経験を提供する劇場という場が大切」なのだと話す。
テキストはカフカの小説をそのまま使うそうだが、一部ティーバンが足した箇所があるという。