元フジテレビアナウンサーの笠井信輔が18日に自身のアメブロを更新。2018年5月に亡くなった歌手・西城秀樹さんとの思い出を回想した。この日、笠井アナは「5月16日は西城秀樹さんの命日でしたあれからもう4年です」と切り出し、西城さんとの2ショットを公開。「私にとって、とても大きな存在だった」と述べ「28年前に『となりのパパイヤ』という番組でご一緒したのですが」「秀樹さんは超スターで、直接お話ができるだけで興奮してしまうほどでした」と出会いを振り返った。続けて「六本木に2人で飲みに行ったり」と明かし「『俺、いま、ヒデキと二人でのんでるわけ』と、心の中で自分の幸運を喜びました」と回想。自身について「昔からお調子もので、物おじしない性格だった」と述べ「秀樹さんとの垣根もあまり作らずに接してしまったことで、気に入っていただけたのかもしれません」と推測。「我が家の息子たちとも家族ぐるみで一緒に食事をしたり、ホントに楽しい時間を過ごしました」と西城さんの家族らとの集合ショットも公開した。また「抗がん剤治療でつらい時は、ひできさんの厳しいリハビリを思い出し、自らを奮い立たせました」と明かし、自身の仕事復帰後には西城さんから「なんで、見る方がつらくなるような姿まで笠井さんは公表してきたんですか」と尋ねられたことを説明。西城さんの「同じ病気の方や、同じ世代のひとに、頑張ってるところをすべて見てもらって、少しでも励みにしてもらえたらいいと思うんだ」という言葉が「ずっと心に残っていたから」と告白した。さらに「いまだに思い出すと涙が出てくるんですが」と述べ、西城さんがプールでリハビリをしている最中に「ほら。入りなよ。ほら、友達じゃないか!」と両手を広げて叫んだことを明かし「冗談めかした言い方でしたが…うれしかった」とコメント。「あの瞬間は、私の人生の中でも忘れられない一コマでした」と西城さんとの思い出を振り返った。最後に「ホントにいい人なんです」と述べ「今でも、天国から、家族をファンの皆さんを見守ってくれているそう感じるのは、生前の秀樹さんの生き方が素晴らしいものだったから」とコメント。西城さんへ向けて「僕は、まだそちらにはいきません『笠井くん、いいね』と、また秀樹さんに言ってもらえるように頑張りますね」と呼びかけ、ブログを締めくくった。
2022年05月18日衆議院議員の野田聖子氏が14日に自身のアメブロを更新。息子・真輝くんが毎朝やっていることを明かした。この日、野田氏は「ムスコさんは5時起き!今週は、4時起きもあった…」と真輝くんが起床する時間について説明。以前は「起きるやいなや、パパママを道連れにしてた」と述べるも「最近は、ひとりでもそもそ、人工呼吸器や酸素、加湿器の電源オフにして、トイレ行って、テレビの前へ」「椅子に座り、左手にスマホ、膝の上にタブレット」と朝の真輝くんの行動を明かした。続けて、真輝くんが毎朝「ママ…そろそろおきたら…しごと、はやいでしょー」と自身を起こしにきてくれるといい「おかげで毎日、余裕綽々、出勤するよ!」とコメント。「鉄母の目覚まし時計の音源は、ムスコさんのレアな歌声」と説明し「たまには、聴いてみたいなり」とつづった。さらに「最近のムスコさん」と述べ「真剣な顔をしながら、お笑いをみてる」とスマートフォンを見つめる真輝くんの姿を公開。「最近のムスコさん、あんまり笑ってくれない」といい「思春期の入り口かい?」とつづり、ブログを締めくくった。
2022年05月15日衆議院議員の野田聖子氏が6日に自身のアメブロを更新。食事ができない息子・真輝くんの代わりにしたことを明かした。この日、野田は「こどもの日」というタイトルでブログを更新し、真輝くんについて「精力的に思い出作り。ママと女子プロサッカーパパとはプロ野球」と説明。「そして…念願の…富士スピードウェイ!」と静岡県『富士スピードウェイ』に足を運んだことを報告した。続けて「出来なくても、観ること、がモットー」と述べつつ、自身について「かなりグロッキー」と告白。「こどもが主役、ですから」とコメントし「こどもの日、食事出来ない彼に代わって、もぐもぐしましたぁ」と報告した。また『富士スピードウェイ』で撮影した真輝くんの写真を複数枚公開。最後に「もう無理、寝るわ~」という真輝くんのセリフを明かし「まだ、8時前なり。寝る子は育つ!」とつづり、ブログを締めくくった。
2022年05月06日衆議院議員の野田聖子氏が5月1日に自身のアメブロを更新。緊急事態が発生した際の息子・真輝くんの反応をつづった。この日、野田は「連休。とはいえ、ムスコさんは明日とか6日とか、小学校へ行く。だから、自宅近辺での、思い出作り」と述べ「初日は、鉄母の日帰り出張に同行、神戸。女子プロサッカーのスタジアムにある、音に過敏なこどもたちのための観戦ルーム視察」と説明。「あわせて、プロになることでの女性たちの経済的自立の取り組み」とつづり、スタジアムでサッカー観戦をする真輝くんの様子を公開した。続けて「ちょっと我が家では緊急事態が発生したけど、パニックにならず落ち着いてるムスコさんに安堵」と報告。「パパなし2人旅もどうにか、こなせるように」と述べつつ「帰りの飛行機、揺れたんで、ずっとママの手をぎゅっと握り続ける彼は、まだまだベイビー!」と明かした。さらに「チャンピオンと!」と元サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の澤穂希さんと真輝くんの2ショットを公開し「ママもサッカー選手だったことを、君は知らないが…」としみじみコメント。「仕事は疲れるにゃ、移動中の爆睡!」と爆睡中の真輝くんの写真とともにつづり、ブログを締めくくった。
2022年05月03日衆議院議員の野田聖子氏が24日に自身のアメブロを更新。息子・真輝くんのマイブームを明かした。この日、野田氏は「夕方、帰京」と述べ、真輝くんの迎えに行ったことを報告し「たった1日会えなかっただけなのに、彼の顔みたら、嬉しい…」としみじみコメント。「パパからの贈り物」と夫から貰ったスニーカーの写真を公開し「お揃い22センチと23.5センチ。いつの間にか、デカくなってる!」と驚いた様子でつづった。また、真輝くんについて「最近、マイブームはバイクのヘルメット」と明かし「まずは、ジュニア仕様」とヘルメットを被った真輝くんの姿を公開。「まだ、買わないよ~バイクないからさ」と真輝くんに呼びかけ「ちゃんと、マナーを守ってかぶりもの、ですね」と述べ、ブログを締めくくった。
2022年04月25日衆議院議員の野田聖子氏が16日に自身のアメブロを更新。新型コロナウイルス感染から回復し現状を報告した。9日のブログで、野田氏は自身と息子・真輝くんについて「去る1日に陽性後、5日には投薬終わりました」と明かし「症状ありません。毎日、平熱、異常なし」とコロナ感染後の経過を報告。8日に真輝くんが受診したところ「OKでました」といい「異変なければ、12日から、鉄母は国会復帰、ムスコさんはやっと6年生として学校復帰」と今後のスケジュールをつづっていた。この日は「しっかり元気取り戻し、親子再稼働中」と近況を報告。真輝くんについて「6年生の漢字の宿題に、連日四苦八苦…」と明かし、自身については「延期してもらったこども家庭庁設置法の来週からの審議に向け、準備中…」と説明した。続けて「互いに遅れを取り戻すため、毎日、マックス生きています」とつづり、真輝くんとの2ショットを公開。「たくさんの方々からの、お見舞い、励まし、支援に心から御礼申し上げます!」と感謝を述べ、ぬいぐるみを抱く真輝くんの写真とともに「マリオがいつもベッドで一緒。おかげで治りが早かったかもね」と嬉しそうにつづった。また「何はともあれ、まずは健康管理」と述べ「幸い後遺症なく」と安堵した様子でコメント。最後に「夫特製のナポリタン!」と夫が作った料理や「千葉県出張のご褒美。好物の落花生シリーズ」と菓子などの写真も公開し、ブログを締めくくった。
2022年04月17日衆議院議員の野田聖子氏が9日に自身のアメブロを更新。新型コロナウイルスに感染した息子・真輝くんのその後の様子を報告した。4日のブログで、野田氏は「1日の朝、前の晩から少し咳がでていました」と述べ「自宅で抗原検査したところ陽性。PCR検査をし、陽性。自宅療養となりました」と説明。「同日、ムスコさんも陽性。夫はその後、陽性」と真輝くんと夫の感染も判明したことを明かしていた。この日は、自身と真輝くんについて「去る1日に陽性後、5日には投薬終わりました」と明かし「症状ありません。毎日、平熱、異常なし」とコロナ感染後の経過を報告。8日に真輝くんが受診したところ「OKでました」といい「異変なければ、12日から、鉄母は国会復帰、ムスコさんはやっと6年生として学校復帰」と今後のスケジュールをつづった。続けて「現在、ムスコさんの有り余るストレスとのバトル」と近況を報告し「なだめたり、笑わせたり、叱ったり…仕事の電話には、必ずからんできます」と説明。一方で「ま、やむを得ない」とコメントした。また「ママのまねして、テレワーク」とタブレットを見つめる真輝くんの様子や「つまらんよー」と床に寝転がる真輝くんの姿を公開。さらに「パパのまねして、ゲーマー」とゲームのコントローラーを左手で操作する様子も公開し「左手だけでは、なかなか完走出来んね、残念」とコメントした。最後に「お、やっと寝てくれそう…」とベッドで横たわる真輝くんの写真とともに報告。「明日もおうちで、あばれるクンでも、元気だから、よし」とつづり、ブログを締めくくった。
2022年04月10日衆議院議員の野田聖子氏が4日に自身のアメブロを更新。新型コロナウイルスに感染した息子・真輝くんの容体が安定したことを報告した。この日、野田氏は「4月1日、新型コロナウィルスに感染」と自身が新型コロナウイルスに感染したことを明かし「同居の夫、息子も、陽性でした」と報告。真輝くんについて「容態が安定してきた」といい「このブログを通じて、たくさんのお見舞いに感謝し、私の不在を支えてくれている皆さんに御礼申し上げます」と感謝をつづった。続けて、自身について「1日の朝、前の晩から少し咳がでていました」と述べ「自宅で抗原検査したところ陽性。PCR検査をし、陽性。自宅療養となりました」と説明。「同日、ムスコさんも陽性。夫はその後、陽性」と真輝くんと夫の感染も判明したことを明かした。さらに「1日、2日は高熱と全身の痛みで動けません。3日から微熱と倦怠感」と症状について説明。真輝くんについては「最初無症状」と明かすも、その後に高熱を出したといい「自分のことより、こどものことが心配で、なんともならん日々」と回想。「今日、ようやく親子とも拷問から解放された感じ」と現状を報告した。また、真輝くんの主治医からは「大丈夫」と言われたことを明かし、自身と夫についても「的確な処方で、快方へ向かっています」と説明。最後に「がんばろう、あと少し」と前向きにつづり、ブログを締めくくった。
2022年04月05日今年でデビュー30周年を迎える歌手 瀬戸つよし(所属:株式会社オフィスユアスマイル)は、「西城秀樹 降臨動画」でヒデキファンをはじめ多くの人の注目を集め、TikTokでは数時間で8万回再生されるなど話題となっております。TikTok 瀬戸つよし「西城秀樹 降臨動画」【西城秀樹 デビュー50周年 終わらないヒデキロス】歌手 西城秀樹さんが、2018年5月、脳梗塞が原因で、63歳でこの世を去ったニュースにファンのみならず、日本中が衝撃を受けました。3年以上の時が過ぎてもなお、ヒデキロス~西城秀樹さんを忘れられない熱烈なファンは減ることを知りません。3月25日で西城秀樹さんはデビュー50周年を迎えましたが、デビュー50周年企画として今年開設されたばかりの西城秀樹LINE公式の登録者はすでに1万人に届く勢いです。また、訃報のニュースをきっかけに西城秀樹さんの歌への需要が増え、訃報直後からひと月で、西城秀樹さんのCD『ゴールデン☆ベスト西城秀樹 シングルコレクション』は、売上2万枚を超えました。今、西城秀樹さん関連の動画・楽曲などに触れたい方々の声に応えるように、雑誌での特集記事掲載、CSチャンネルでの特集番組など、各メディアでも「ヒデキフィーバー」が起こっています。【TikTok「西城秀樹 降臨動画」が8万回越え】歌手 瀬戸つよし(株式会社オフィスユアスマイル所属)が、「西城秀樹さんの一万光年の愛」をモノマネではなく、ご本人になってしまう降臨動画をTikTokにUPしたところ、数時間で8万回再生をたたき出しました。コメント欄には、「これほどそっくりの歌を聞いたことがない」「目をつぶって聴くともはや本人」など、驚きの声が数多く寄せられています。瀬戸はデビュー当時から西城秀樹さんに声が似ていると言われてきており、西城秀樹 降臨歌唱にもより一層磨きがかかっています。西城秀樹さんの楽曲を歌う際、以前から西城秀樹さんをシンガーとしてリスペクトしている瀬戸に、まるでご本人が憑依しているかのようです。【本格派歌手の瀬戸つよし】瀬戸つよしは、1992年にテレビ朝日系新春大型時代劇スペシャル~戦国最後の勝利者~「徳川家康」主題歌にてデビューし、今年30周年を迎えます。その後も京本政樹さんプロデュースのもと「必殺仕事人V・激闘編」主題歌「女は海」をカバーしリリースするなど、本格派歌手として活動しています。幼少期を西城秀樹さんと同郷(広島市)で過ごした経験もある瀬戸は、持ち歌を聞いてもらえるのはもちろん嬉しいが、西城秀樹さんの降臨歌唱でヒデキロスの方々へ愛を届けたいと意欲に燃えています。■数時間で8万回再生以上を記録した動画TikTok 瀬戸つよし リスペクト降臨 西城秀樹「一万光年の愛」 ■瀬戸つよしYouTube ■会社概要会社名: 株式会社オフィスユアスマイル代表 : 瀬藤正則本社 : 〒556-0011 大阪市浪速区難波中3丁目12-3-1003URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月28日衆議院議員の野田聖子氏が26日に自身のアメブロを更新。息子・真輝くんが5年生を修了し感涙したことを明かした。この日、野田氏は「ムスコさん、迷走しながらも、無事に5年生終わりました!」と報告。「鉄母がよろけてばかりなんで、夫、学校の先生方、福祉や医療のみなさん、岐阜や東京の仲間たちが彼を支えてくれました!」と感謝をつづった。一方で、真輝くんについて「本人はしれっとしてます」と述べつつ「鉄母は感涙」と自身は涙したことを告白。「え?もうすぐ6年生…」と感慨深い様子でつづった。続けて「ママとのデートキッザニア!」とコメントし、真輝くんと子ども向けの職業体験型テーマパーク『キッザニア』に足を運んだことを報告。警察官の衣装を着用した真輝くんの姿を公開し「あなたのおじいちゃん、警察官だよ」と呼びかけた。また「ガソリンスタンド勤務!」と述べ、サービススタッフの衣装を着用し仕事をする真輝くんの様子も公開。最後に「シメはやはり、バス乗車」とバスを待つ真輝くんの様子とともに「撮影担当の鉄母、疲労困憊なり」とコメントし、ブログを締めくくった。
2022年03月27日大食いアイドルの“もえあず”こともえのあずきが25日に自身のアメブロを更新。お笑いコンビ・メイプル超合金のカズレーザーとマヂカルラブリーの野田クリスタルとの3ショットを公開した。この日、もえあずは「昨日は野田レーザーの逆算さんやったよ」(原文ママ)とバラエティー番組『野田レーザーの逆算』(テレビ朝日系)に出演したことを報告。「深夜やのにリアタイしてくれはったかたありがとう!!!」と感謝の言葉を送った。続けて「もえあずも一回寝ちゃって放送時間ギリギリに起きてリアタイできた」と述べ、カズレーザーと野田との3ショットを公開。「カズレーザーさんは同志社大学の先輩で数年前よく共演してた」と明かし「お久しぶりに会えてうれしかったぁ!!」と喜びをつづった。また「マジラブ野田さんもいつも拝見してるからお会いできてうれしかった」とコメント。「ロングコートダディ堂前さん、カベポスター永見さんもみなさん優しかった」と嬉しそうにつづった。
2022年03月26日衆議院議員の野田聖子氏が20日に自身のアメブロを更新。切なかった息子・真輝くんの一言を明かした。この日、野田氏は「三連休」と切り出し「初日は、徳島県出張」「2日目は、ラジオ録音」「3日目は、母子の時間、の予定」とスケジュールを説明。真輝くんについて「学期末だから、持ち帰り荷物多い」といい「ガシャガシャになってるから、整理整頓」と報告した。続けて、真輝くんが「学童で、誰かに、ばかっていわれた…」と呟いたそうで「せつないよ」と吐露。「ともに、上を向いて歩こうぜ!」と前向きにつづった。また「鉄母、テレワーク中」とテレワーク中の自身と真輝くんの2ショットを公開し「そばで邪魔しない君が、好き」とコメント。「ツンデレだけど、最強の彼氏です!」とつづり、ブログを締めくくった。
2022年03月21日衆議院議員の野田聖子氏が14日に自身のアメブロを更新。息子・真輝くんが大学病院で検査した結果を報告した。この日、野田氏は「先日、大学病院での検査」と真輝くんが検査を行ったことを明かし、検査項目について「心電図胸部レントゲン超音波エコー検査」と述べ「今回は合格!ついでに体重も増加!」と報告。「ホッとしました…」と安堵した様子をつづった。一方で「相変わらず、気管切開、胃ろう、人工呼吸器とはお別れ出来ませぬ」と述べるも「よしとしよう」とコメントした。また「鉄母は、国会で、委員会あちこち、です」と自身の近況を明かし「あちこちガタもきてますが、ムスコさんの歌声で癒されます…」「いや、惑わされるかな?」とお茶目につづった。最後に「彼の休日…ママの仕事お手伝い、らしい」と真輝くんの休日の過ごし方について述べ、「爆睡の二人。お互い、どうにか、頑張ってるよね」と車中で眠る自身と真輝くんの姿を公開した。
2022年03月15日1999年に野田秀樹によって初演された『パンドラの鐘』が成田凌、葵わかなのダブル主演で、6月から7月にかけて東京・大阪で上演される。このたび、蜷川実花が撮り下ろしたビジュアルが公開された。同作は初演時、野田の演出バージョンと、蜷川幸雄演出バージョンがほぼ同時期に上演という異例の競作で、蜷川は“岩”、野田は“紙”と、同じ作品ながら全く違ったモチーフとアプローチで作品を創り上げ、演劇界を牽引するふたりの演出対決が大きな話題となった語り継がれる作品だ。現役のまま惜しまれつつ2016年にこの世を去ったシアターコクーン前芸術監督・蜷川幸雄の七回忌を迎える今年、“NINAGAWA MEMORIAL”と題し、本作が初演以来23年ぶりにシアターコクーンにて上演。蜷川作品より多大な影響を受け、アングラ、シェイクスピア、海外戯曲、歌舞伎まで様々なジャンルの作品を手掛けている、新世代の演劇界を担う気鋭の若手演出家、杉原邦生が演出を担当する。舞台は太平洋戦争開戦前夜の長崎。ピンカートン財団による古代遺跡の発掘作業が行われている。考古学者カナクギ教授の助手オズは、土深くに埋もれていた数々の発掘物から、遠く忘れ去られていた古代王国の姿を、鮮やかによみがえらせていく。王の葬儀が行われている古代王国。兄の狂王を幽閉し、妹ヒメ女が王位を継ごうとしているのだ。従者たちは、棺桶と一緒に葬式屋も埋葬してしまおうとするが、ヒメ女はその中の一人ミズヲに魅かれ、命を助ける。ヒメ女の王国は栄え、各国からの略奪品が運び込まれている。あるとき、ミズヲは異国の都市で掘り出した巨大な鐘を、ヒメ女のもとへ持ち帰るが……。これまで勝村政信、堤真一の怪演が話題となった葬式屋のミズヲ役を演じるのは、今作が初の舞台出演にして、初主演となる成田凌。そして、大竹しのぶ、天海祐希の演じた古代の女王・ヒメ女役を演じるのは、多くの映像作品に出演しながら、舞台にも定期的に出演を続けている葵わかな。フレッシュながら、その存在感と演技力の光るこのふたりがダブル主演を務める。さらに、前田敦子、玉置玲央、大鶴佐助、柄本時生、片岡亀蔵、南果歩、白石加代子と、若手からベテランまで、確かな演技力をもつ豪華な俳優陣が集結した。蜷川実花が撮り下ろしたビジュアルは、色彩豊かな一枚となっている。蜷川幸雄の長女で写真家・映画監督として世界的に活躍する蜷川は「祝祭」「祈り」「鎮魂」「希望」といった作品のテーマに、独特で豊かな色彩感覚が織り込み、日本の歴史のTABOOに真っ向から挑んだ本作の衝撃に負けない、インパクトのあるビジュアルを完成させた。写真家・映画監督 蜷川実花コメント父が亡くなって6年経っても、こうして「NINAGAWA MEMORIAL」と題して公演をしてくださること、ありがたく思っています。そして、その公演にビジュアル撮影という形で参加することができて、とても嬉しいです。本当にありがとうございます。1999年の公演も両パターン観ているので、今回はどんなことになるのか楽しみです。作・野田秀樹コメント蜷川幸雄は、20も年下の私を、人前では必ず「野田さん」と呼んでくれた。それは蜷川さんの律儀な「他の演劇人」へのリスペクトの表れだった。ただ、話し込んでいくといつの間にか「野田、お前さあ」に変わっていった。私は、律儀なリスペクトが親愛の情に変わるその瞬間が好きだった。あの日もそうだった。「野田さん」で始まった対談が終わる寸前、「野田さあ、お前、俺になんか書けよ」になっていた。私は「蜷川さん、有難い話だけれど、自分の芝居を書くのに精一杯ですよ」そう答えながら、ふと突拍子もなく図々しいことを思いついた。「でも蜷川さん、これから僕が自分で演出するために書く芝居を、蜷川さんも演出してくれるんだったら、書きますよ」当然、「バカ、ふざけんな!」という答えが返って来るとニヤついていたら「いいよ、それでも」という真顔の返事だった。私は驚きと半信半疑で「え?でも、それは僕だけが得しますよ」私は、どう考えても蜷川さんに失礼この上ない事を言ってしまったと思い直した。けれども蜷川さんは「そのくらいのことをしなけりゃ、硬直した演劇界は面白くならねえんだよ」「いや、でも…」「大丈夫だよ、それで。俺の方がいい演出してやるから」「ほんとに?」「ほんとだよ、バカ!」…ほんとなんだ、本気なんだ。しまったこれはもしかしたら、大変な約束をしてしまったかもしれない。臆した時にはもう遅い。話は決まってしまった。こうして私は蜷川幸雄を意識しながら懸命に芝居を書いた。そして「パンドラの鐘」という作品が世に生まれた。あの日、私は蜷川幸雄に演劇人としての懐の深さと演出家としての芯の勁さを感じとった。蜷川さんのその深さと勁さがなければ、この「パンドラの鐘」は生まれなかっただろう。その深さと勁さを、この度は、若くして才ある演出家杉原邦生さんに委ねる。杉原さんもこれだけ言われるとプレッシャーを感じるだろうが、大丈夫、白石加代子を始めとした、海千山千の「深く」「勁い」役者ばかりだ、好き放題にやっていただきたい。バトンは渡された。演出・杉原邦生コメント僕たちが生きるこの世界から争いが消えることはない―――そんなかなしい確信を抱かざるを得ない現実を目の当たりにする日々の中で、野田秀樹さんがこの戯曲に託した〈希望〉の意味を改めて噛み締めています。そして、このシアターコクーンで生前数々の名作を生み出した蜷川幸雄さんの七回忌を迎える本年、「NINAGAWA MEMORIAL」と冠した公演で演出を託されることの重責を強く感じています。それと同時に、二人の偉大な演劇人のレガシーを僕たちが繋いでいけることの〈希望〉に、これまでにない大きな興奮をおぼえています。成田凌さん、葵わかなさんというフレッシュなお二人をはじめとする魅力的すぎるキャスト陣に加え、異種混合で多彩なスタッフの皆さんとともに、パンドラの鐘の中に残された人類の〈希望〉を、その鐘の音に乗せ、古代から現代、そして遠く未来へと響かせたい。それが僕の願いです。成田凌コメント20年前から様々な方々が演出され、演じられてきたこの『パンドラの鐘』、"ミズヲ"を演じさせていただきます。自分自身、初めて舞台に立たせていただきますが、気の知れた方や信頼できる方、大先輩方に支えられながらしっかりとミズヲを演じられたらと思います。葵わかなさんは前回お母さんだったのでまた違うお芝居ができるのをたのしみにしています。迫力のあるものをお見せ出来ますよう、頑張ります。葵わかなコメント脚本を初めて読ませていただいた時の気持ちが、今も強く残っています。不思議で突拍子もなくて、巧妙で、切なくて…色々な気持ちが浮かびすぎて、なんて言葉で表したらいいのかわからないくらいなのですが、それを表現する立場に加われることがとても嬉しいです。成田凌さんとは親子という間柄を演じて以来の共演なので、不思議な気持ちもあるのですが、とても心強いです。この作品ではどんな関係性をお見せできるのかとても楽しみです。演出の杉原邦生さんをはじめとする座組の皆さんとご一緒させていただけることに、とてもワクワクしています!精一杯頑張りたいです。【公演概要】COCOON PRODUCTION 2022 / NINAGAWA MEMORIAL『パンドラの鐘』作:野田秀樹演出:杉原邦生出演:成田凌葵わかな前田敦子玉置玲央大鶴佐助森田真和亀島一徳山口航太武居卓内海正考王下貴司久保田舞倉元奎哉米田沙織涌田悠柄本時生片岡亀蔵南果歩白石加代子【東京公演】公演期間2022年6月6日(月)~28日(火)全25回公演会場Bunkamuraシアターコクーン【大阪公演】公演期間2022年7月2日(土)~5日(火)全5回公演会場森ノ宮ピロティホール【チケット発売日】東京公演:2022年4月17日(日)AM10:00~大阪公演:2022年5月22日(日)AM10:00~
2022年03月14日西城秀樹デビュー50周年を迎えた西城秀樹さん。ヒデキ還暦! から3年後の2018年、惜しくまれつつも天に召されたが、その歌声は今も愛され続けている。秀樹さんと親交の深かった2人が魅力をとことん語り尽くします!コロッケ秀樹さんには僕のデビュー直後からずっと可愛がっていただきました。一緒に飲んだり、コンサートを見せていただいたり。プライベートではお正月のパーティーにも呼んでいただきました。笠井私はフジテレビの『となりのパパイヤ』という番組で半年間ご一緒させていただいてからのご縁です。取材でもお世話になりましたし、秀樹さんがご結婚されてからは、お互いの家族でよく食事をさせていただきました。コロッケ僕は初めて食事をさせていただいたのが、夜遅い時間だったんです。新宿のバーで飲んでたら「飯、行く?」って言われて。行ったお店が『餃子の王将』でした。笠井ええー。そんな庶民的なところ!?コロッケはい(笑)。で、ビールを飲みながら、「コロッケもこれから芸能界でいろいろあると思うけど頑張れよ。もし売れても、調子に乗ったりしちゃダメだよ」と言葉をかけてくださって本当に感激しました。笠井私も番組の終わりに突然誘っていただいて、マネージャーさん抜きで2人で六本木のバーに行ったのが最初でした。当時自分は31歳だったので、心の中で「西城秀樹と飲んでるよ、俺!」って。コロッケわかります。すげぇわかります。大スターなのに、ぜんぜん気取ったところがない。親分肌で、面倒見のいい方ですよね。テレビを武器に成功していったアイドル笠井今年はデビュー50周年でさまざまなイベントや特集番組が組まれて、秀樹さんを思い出す機会も多い。必然的に「昭和」を生きてきた私とコロッケさんは笑顔になるわけですよね。コロッケ秀樹さんたち「新御三家」が出てきた時代って、グループサウンズのブームが終わって次に誰が日本を揺るがす大ヒットを飛ばすんだろうって、みんなが模索していた時期だったと思うんです。秀樹さんたちが完全に芸能界の流れを変えました。笠井私たちはまさに芸能界の「地殻変動」を目撃したんですよね。コロッケ昔の芸能界は、石原裕次郎さん、小林旭さんなど映画の世界から登場した方がスターでした。でも、新御三家はテレビを武器に成功していったアイドル。しかも今はグループばかりですが、当時はみんな1人なんですよ。長年にわたってずっと活躍されて、たった1人で伝説化するからすごい。笠井新御三家で最初に世に出たのは野口五郎さんでしたが、デビュー曲の『博多みれん』は演歌で。秀樹さんも『恋する季節』のころはまだ普通の歌謡曲。それが3曲目の『チャンスは一度』がヒットして一気にワイルドな方向に行った。ファーストアルバムのタイトルは『ワイルドな17才』ですよ!コロッケ秀樹さんは動きから声からすべてがパワフル。『傷だらけのローラ』の絶叫とか『ジャガー』とか。あんなセリフ(抱いてやる〜)、今のアイドルがやったら誰も相手にしてくれない(笑)。笠井『薔薇の鎖』から始まるスタンドマイクや『激しい恋』の振り付けとか、秀樹さんじゃなかったら、当時あのアクションをみんなカッコいいと思ったり、まねしたりしなかったかもしれません。六本木のお店にやってきて……コロッケしかも、秀樹さんは自分で自分をプロデュースしていた方。あらかじめ用意された服を着せられるアイドルとは違って、自分で服を決めるし、アイデアを出す。球場コンサートも秀樹さんが最初ですよね。笠井ソロシンガーとして初めて後楽園球場に何万人もの人を集めた。ほかにも芸能界でいろいろな歴史を切り開いて「音楽史」の中でエポックメーキングな方なんですよ。コンサートでお客さんがペンライトを使うようになったのも秀樹さんからですし。コロッケ 『YOUNGMAN(Y.M.C.A.)』は洋楽のカバーですけど、誰かが話を持ってきても秀樹さんが「歌わない」って言ったらそれまで。最終的には秀樹さんが決めて、あれだけの大ヒットになった。その判断基準は「自分」よりも、どうすればファンが喜ぶか。いま思い出すと「これだったら、みんな喜んでくれるよ」とかって言葉がすごく多かった。笠井非常にサービス精神が旺盛な方ですよね。コロッケ僕が六本木でお店をやっていたときも、秀樹さんがコンサート終わりに遊びにきて、マイクを持って歌うんですよ。こっちは「いやいやいや……(恐縮)」みたいな。お客さんはもう大騒ぎですよ。『ギャランドゥ』のころですから。笠井そして、あの声でしょ。ちょっとハスキーな本当に魅力的な声で!コロッケ力強くうなったり、ささやいたり。1曲の中で3つ4つの声を使い分けて、しかも押したり引いたりが歌によって変わるんですよ。『サンタマリアの祈り』も『ブルースカイ ブルー』もぜんぜん違う曲ですけど、静かなときも激しいときもカッコいい。笠井秀樹さんのものまねってとても難しいんですよね?どうしても振りまねになっちゃうし、コピーしづらいオリジナルな人だったんだろうというか。コロッケだからまねをするにも、普通にやったんじゃ絶対に無理。もうふざけて、ちょっとだけやって終わるしかない。ちゃんとしようとする人がいないし、できない(笑)。まさに唯一無二のスーパースターです!──コロッケさんは秀樹さんの結婚式(2001年)で余興をされているんですよね?コロッケはい。秀樹さんから直々に「五木ロボットやってよ。ぜったいにウケると思うから」と(笑)。笠井そっち!? 野口五郎さんじゃなくて(笑)。コロッケ五郎さんご本人が出席されていますから(笑)。たしか(木梨)憲武とヒロミも漫才をやった。でも、ああいう結婚式って芸能人と関係者ばっかりで、すごく緊張したのを覚えてます。ぜったいに諦めない生きざま──笠井さんは取材者として、秀樹さんがご病気をされてからも密着されました。笠井はい。秀樹さんは本当に前向きな方で「大変だけど俺は頑張るんだ」ってことを常に言っていましたし、「笠井くんだったら(テレビの)カメラ持ってきてもいいよ」って、つながりを大事にしてくださった。どういう状態であれ、自分が努力している姿を見てもらうことが大切なんだと。人としてのあるべき姿、芸能人としての矜恃を強く見せていただきました。コロッケ秀樹さんをマッサージする方とお話ししたこともあるんですが、普通だったらもう無理だと。お医者さんに聞いても無理。出られるわけがない。何回も脳こうそくをわずらったのに、それでも復活してリハビリをやり続けて。生きざまって本当に大事なんだなぁと。秀樹さんはぜったいに諦めない方でした。笠井芸能人の方と飲んでいると、けっこう不平不満だったり愚痴が出てくる方も多いんですが、秀樹さんはいつも明るく楽しく。不満とかマイナスイメージの話はほとんどしない人でした。闘病中もそれは変わらず、あの病院はさぁ、とか一切ない。常に前向きな言葉で話していらっしゃいました。コロッケあるパーティーでお会いしたときに、秀樹さんと目が合ったんで「ああ、秀樹さん……」って寄っていったら、脳こうそくで言葉も不自由だったんですけど、「元気?」「はい、元気です。いろいろ頑張ってます」「体、気をつけろよ」って、やさしく声をかけてくださいました。僕も何て返していいか一瞬わからなかったんですけど……。でも、秀樹さんは僕が一瞬戸惑うことさえもわかったうえで話しかけて、逆に僕に気を遣わせないようにしてくれたのかなぁって。自分のために生きるという方が多い芸能界の中で、人のためにとか、応援してくれるファンのためにとか、仲間のためにとか、常に考えてらっしゃった方だと思います。笠井私自身、自分ががんになったとき包み隠さずに公表したのは、秀樹さんの姿を見てきたことがとても大きいんですよね。秀樹さんの若いころの映像を見ていると本当にカッコいい。そのまま世の中から隠れれば、その印象だけで終われるんですよ。でも、「それでもいいんだ」「最後まできちんと見せるんだ」っていう。そこがやっぱり秀樹さんのとてつもない底力であったと思います。尊敬しかありません。* * *《告知》西城秀樹のデビュー当時の超貴重映像をお届け!『デビュー50周年「甦る!西城秀樹伝説」情熱編』3月12日(土)20:30~ ほか『デビュー50周年「甦る!西城秀樹伝説」感動編』4月2日(土)21:00~ ほか放送局/CSホームドラマチャンネル出演/コロッケ、笠井信輔、西城秀樹(過去映像)キャンペーンでの熱狂的なファンとの交流、デビュー直後の貴重なインタビューなど、輝かしい“ヒデキ”の秘蔵映像が満載。コロッケいちファンであり、尊敬する先輩である秀樹さんのデビュー直後の姿が新鮮でした。スーパースターのめったに見られない一面をお見せできる番組です。笠井フィルム撮影による当時のニュース映像は本当に貴重です。特にデビュー半年後の下宿先でのインタビュー10分間! 見たことがない衝撃的な出会いであり、喜びです。
2022年03月12日衆議院議員の野田聖子氏が6日に自身のアメブロを更新。息子・真輝くんへ伝えたいことを明かした。この日、野田氏は「伝えること」というタイトルでブログを更新し「ウクライナの人々の苦しみを息子に伝えられない悲しみ」とコメント。真輝くんとニュースを毎日見ていることを説明する一方で「彼の知的能力では、理解できない」とつづった。続けて「戦争はこわい、人が亡くなる、悲しいこと」ということは伝わっているといい「すべての命、大切はわかるよね」とコメント。真輝くんが「おれ、いっぱいオペしたから」と言っていたことを明かし「平和な世界を!」と願いをつづった。また「あたりまえの日常こそ、命あればこそ、幸せ」と述べ「友人がこっそり撮った一枚…宝物」と後ろ姿の家族ショットを公開。最後に「どんなにしんどくても、あなたとの時間は必ず守りますから…」と真輝くんへの思いをつづり、ブログを締めくくった。
2022年03月07日’74年に行われたコンサートでは、彼に少しでも近づきたい女性が身を乗り出して応援した 歌手の西城秀樹さんが63歳の生涯を閉じてから5月で4年が経つ。生きていたら3月下旬にデビュー50周年を迎えるはずだった。もっとも、ファンたちは天国の秀樹さんに向かって50周年を盛大に祝う。4月には神奈川県民ホール(横浜市)とオリックス劇場(大阪)で映像での50周年コンサート『HIDEKI SAIJO CONCERT 2022 THE 50』が行なわれる。すでに大入りが確実視されているという。ファンを楽しませる“エンターテイナー”ファンクラブも解散されていない。3月には50年の軌跡を収めた7枚組DVDもソニーミュージックからリリースされる。なぜ、秀樹さんのファンは熱いのか。芸能ジャーナリストの渡邉裕二氏が解説する。「ヒット曲が多かった上、秀樹さん自身が熱い人で、いつも時代の先端を走る人だったことも大きい。今では当たり前になったマイクスタンドを使ったパフォーマンスも西城さんが1974年に『薔薇の鎖』を歌った際にやったものです」同じ年には球場でのワンマンコンサートを日本人として大阪スタヂアムで初めて行った。当時、ほかの歌手たちは音響面や集客面、警備面などを不安視し、球場の使用には二の足を踏んでいた。「1979年には『YOUNGMAN (Y.M.C.A.)』を大ヒットさせましたが、ファンと一緒に楽しめる振り付けを採用したのも、秀樹さんが初めてなのはご存じの通りです」(前出・渡邉氏)そんな秀樹さんの姿勢にはサザンオールスターズの桑田佳祐(66)も早くから敬意を示し、1995年のサザンのコンサートに特別ゲストとして招いて、「素晴らしいエンターテイナー!」と讃えた。ファンを大切にする人でもあった。秀樹さんのコンサートに携わった経験のあるホール関係者が語る。「秀樹さんは公表されただけで3回、脳梗塞で倒れたが、毎回、なるべく早く復帰しようと努めていた。ファンが待っているのが分かっていたからね。あの人くらいになると、カネじゃ動かない」倒れたのは2001年と2003年と2011年とされていた。だが、秀樹さんの没後に夫人が著書で明かしたところによると、計8回も脳梗塞を発症していた。「楽屋でつらそうなこともあった。ステージ上で歌や動きがぎこちないことも。話すだけでもしんどそうで、杖を使わずに歩くのが難しいこともあったので、当たり前です。でも秀樹さんのファンにはそんなことはどうでもよかった」(前出・ホール関係者)2016年、東京・中野サンプラザホールなどで行われたデビュー45周年記念コンサート『HIDEKI SAIJO 45th ANNIVERSARY CONCERT 2016』での秀樹さんは、体を思うように動かせない一幕があったが、懸命に歌い、踊った。それを見てファンたちは熱狂。号泣するファンも続出した。何があろうが全力で生きる秀樹さんの姿に、ファンは胸を打たれていた。「秀樹さんのコンサートで勉強させてもらったと思うのは、ファンというものは単に歌を聴きに来ているんじゃないということ。アーティストの生き様も見たいと思っている。コンサートで『声が出ていない』とか『口パクだったんじゃないか』などと言っているうちは本当のファンではない気がする」(前出・ホール関係者)秀樹さんのファンは彼の生き方に惚れ込んでいた訳だ。いまだ熱いのもうなずける。取材で見えた、人柄の良さサザンの桑田が敬うくらいだから、歌もうまかった。TBS『ザ・ベストテン』(1978年~89年)の司会を務め、さまざまな歌手と接してきた黒柳徹子(88)も「あんなに歌のうまい人はいない」と歌唱力を絶賛していた。具体的に歌がどう、うまかったのか。秀樹さんがデビュー時に所属していたビクター音楽産業(現JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)の元制作スタッフが解説する。「『情熱の嵐』(1973年)のようなシャウト系の歌も『ブルースカイブルー』(1978年)みたいなバラードも完璧に歌えた。発声のコントロールがきちんとできていたからです。シャウト系もバラードも歌える人は数少ない。どちらも歌うのは難しいんです。かなり高い歌唱力を持っている人でないと無理」またシャウト系の歌には歌唱力が表れやすいそうだ。「うまくない人が歌うと、がなっているように聴こえてしまいますから。秀樹さんは違った。しっとりしたバラードもうまく、味もあった。デビュー時点から歌のうまい人でしたが、経験を積むうち、よりうまくなりました。売れてからも一生懸命やる人でしたから」(前出・元ビクター制作幹部)人柄が良かったこともファンを惹き付け続ける理由だろう。筆者が秀樹さんとお会いしたのは2013年5月だった。TBSの名作ドラマ『寺内貫太郎一家』(1974年、パート2は翌75年)についての座談会出席をお願いした。秀樹さんの父親・貫太郎役だった故・小林亜星さんと同局の演出家だった故・鴨下信一さんが同席した。秀樹さんは時折、声を出しにくそうな場面があった。それでも笑顔を絶やさず、「このドラマが成功したのは、貫太郎役が亜星さんだったからだよ」と小林さんを讃えて、一方で鴨下さんを立てた。秀樹さんの人気がこのドラマを支えていた一面もあるのに、自分のことはほとんど語ろうとしなかった。4月の50周年コンサートをファンは心待ちにしているだろう。高堀冬彦(放送コラムニスト、ジャーナリスト)1964年、茨城県生まれ。スポーツニッポン新聞社文化部記者(放送担当)、「サンデー毎日」(毎日新聞出版社)編集次長などを経て2019年に独立
2022年03月01日衆議院議員の野田聖子氏が23日に自身のアメブロを更新。息子・真輝くんが小学校でスピーチを行った結果についてつづった。この日、野田氏は「ムスコさんの小学校での、卒業進級祝う会」と切り出し「自宅ではギャーギャーうるさい」と真輝くんについて説明。一方で「スピーチの声、ちっちゃ…」とスピーチの声が小さかったといい「きんちょうしたわ~」と真輝くんが言っていたことを明かした。続けて「週末、オトコ二人旅」「久々のぼっち」と1人で週末を過ごしていたことを報告。「なんか落ち着かなくて…」「首痛リハビリ兼ねて、長風呂」と過ごし方を明かし「ずっと、昔好きだった唄、聴いてのぼせた」とつづった。また「ドレスコードフォーマル」と述べ、ジャケットを羽織った真輝くんの姿を公開。「鉄母はこれみて、がんばるのだよ」とコメントし、待ち受け画面のスクリーンショットも公開した。最後に「父息子不在の日、母のところへ、差し入れ」と母親との2ショットを公開。「似てきたな、私たち」とコメントし、ブログを締めくくった。
2022年02月24日衆議院議員の野田聖子氏が18日に自身のアメブロを更新。息子・真輝くんからエールを貰ったことを報告した。この日、野田氏は「まだ、寝違え首痛とバトル中」と切り出し「1ヶ月…整形外科、マッサージ、カイロプラクティック、鍼、湿布、スプレー、と。お世話になりまして」と首の痛みに悩まされている様子を説明。「現在は、鎮痛剤とセルフもみもみ」と現状を報告した。続けて「久々のレントゲンでは、我が身の加齢、無惨!」と述べるも「国会では、毎日、真剣勝負」とコメント。「おばはん、がんばれ!とムスコさんのエール」と真輝くんからエールを貰ったことを明かした。さらに「気を紛らわすため、読書」「気を紛らわすため、ネトフリ」と説明。「寝る子は育つもう限界なりショット、いただきました!」と眠そうな表情を浮かべる真輝くんとの2ショットを公開した。最後に、就寝中の真輝くんの写真も複数枚公開。「寝る子は育つ妖怪ウォッチ風」「寝る子は育つおなじみスケルトン風」「寝る子は育つマリオといい夢みてね!」とそれぞれの写真にコメントした。
2022年02月19日お笑いコンビ・マヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)が15日、東京・渋谷のよしもと∞ホールで行われた厚生労働省と吉本興業によるイベント「スベっちゃダメよ!転倒予防 ムチャしちゃダメよ!腰痛予防“全国スベっちゃダメよキャンペーン”キックオフイベント」に登壇。イベント後に囲み取材に応じた。近年、「労働災害(=仕事中においての怪我)」で増えている転倒と腰痛の予防を図るため、吉本芸人が「スベっちゃダメよ喚起隊」を結成。啓発ポスターや啓発動画を通じて、職場での転倒・腰痛の予防を呼びかける。イベントには、「スベっちゃダメよ喚起隊」に抜てきされたマヂカルラブリー、アインシュタイン、男性ブランコ、ぼる塾のきりやはるかとあんりが登壇。転倒・腰痛予防をテーマとした大喜利などで盛り上げた。昨年7月にパーソナルトレーニングジム「クリスタルジム」もオープンさせるなど、筋肉芸人としても知られている野田だが、腰痛を持っていることを告白。「トレーニングによって引き起こされた腰痛。鍛えすぎて。やりすぎるとよくない。程よいトレーニングが一番の予防になります」と伝え、「トレーナー、オーナー目線で言わせていただきました」と話した。また、「腰痛予防は意外に腹筋なんです。腹筋を鍛えると腰痛予防できる」と説明。「圧をかけることによって(鍛えられる)。腹筋を鍛えるために普段から……」と言いながら腹筋を強く叩くと、「怖い」と芸人仲間は笑っていた。村上も「年を取ってきて腰もちょっと痛い」と言い、「一歩間違えたらぎっくりとかやって仕事に支障が出るようなことが起きる年齢なので、気を付けないといけないと思いました」と気を引き締めた。
2022年02月15日高橋一生主演、川平慈英、伊原剛志、前田敦子、村岡希美、野田秀樹、白石加代子、橋爪功が出演し、“フェイク”が蔓延る現代に、野田秀樹が、「コトバ」というものに正面から向き合った意欲作『フェイクスピア』。2021年5~7月、東京・大阪にて上演され、多くの観客から好評を博した同作品が、NODA・MAP初の試みとして有料配信される。配信は2月19日(土)19時より、東京芸術劇場プレイハウスで行われた東京公演の本編映像と主演・高橋一生にフォーカスした<高橋一生カメラ>の映像という2つのアングルで堪能できるほか、本編終了後には特典映像としてキャストの座談会も収録。「第29回読売演劇大賞」において作品賞、男優賞、演出家賞の3部門で優秀賞を受賞。「演劇の力」を体現する仕掛けと熱量に満ちた舞台で、野田秀樹の緻密な脚本と大胆な演出、そして高橋一生の真摯に響く台詞としなやかな演技体に加え、橋爪功と白石加代子が醸し出す圧倒的な存在感が観るものを魅了し続けた同作品。開幕後しばらくの間は緊急事態宣言下にあったため、さまざまな理由で観劇を躊躇したり、当日券販売ができなかった為にもう一度観たいけれど観ることができなかったという状況をふまえ、「なんとしても観たい!」「もう一度観たい!」という多くの声に応えるべく、野田秀樹、NODA・MAPとして本作をより沢山の人たちに届けたいという思いから、NODA・MAP作品としては初めての配信が決定した。【初配信!】NODA・MAP「フェイクスピア」配信期間:2022年2月19日(土)19:00~2月27日(日)23:59Blinky(ブリンキー)にて配信【特典映像】本編終了後、高橋一生、橋爪功、白石加代子、野田秀樹による座談会インタビュー映像を収録配信チケット発売期間2022年2月5日(土)10:00~2022年2月27日(日)18:00配信チケット料金:¥3,500(税込)チケットぴあ 配信プラットフォームBlinky(ブリンキー) ※視聴には会員登録が必要になります。※ご利用端末によってはご視聴いただけない場合がございますので、事前にBlinkyオフィシャルサイトにて視聴可否をご確認の上、チケットをご購入ください。出演:高橋一生川平慈英伊原剛志前田敦子村岡希美白石加代子野田秀樹橋爪功石川詩織岩崎MARK雄大浦彩恵子上村聡川原田樹白倉裕二末冨真由谷村実紀手打隆盛花島令間瀬奈都美松本誠的場祐太水口早香茂手木桜子吉田朋弘作・演出:野田秀樹収録日・収録場所2021年6月12日(土)・東京芸術劇場プレイハウス【配信スポット映像】問い合わせ先本作品に関するお問合せ: (NODA・MAP)視聴方法、操作方法に関するお問合せ: (Blinky)チケットに関するお問合せ: (チケットぴあ)
2022年01月29日西城秀樹のデビュー50周年を記念したスペシャルコンサート『HIDEKI SAIJO CONCERT 2022 THE 50』が、4月3日に神奈川・神奈川県民ホール、4月14日に大阪・オリックス劇場で開催されることが決定した。2018年に旅立ってしまって以降、日本の音楽界に与えたインパクトや功績が改めて注目され、2019年にシングル集『HIDEKI UNFORGETTABLE~HIDEKI SAIJO ALL TIME SINGLES SINCE1972』、2020年にDVD BOX『西城秀樹in夜のヒットスタジオ』が発売。2021年6月からは西城が残したオリジナルアルバムやライブアルバムの復刻発売も開始され、1972年のデビュー以降いまも輝きを放ち続けている。実に5年ぶりのコンサートとなる本公演は、往年の西城の映像に2017年に行われたコンサート『THE 45+1』のバンドメンバーと全スタッフが集結し実現する。チケットはオフィシャルファンクラブ「PLANETS OF EARTH」会員を対象としたFC限定受付が1月14日より行われる。また、デビュー50周年を迎える3月25日に発売される、TBSの『ザ・ベストテン』『8時だョ!全員集合』などに西城が出演した際の映像をまとめたDVD BOX『THE 50 HIDEKI SAIJO song of memories』の新たなダイジェスト映像が公開された。『THE 50 HIDEKI SAIJO song of memories』ダイジェスト<公演情報>HIDEKI SAIJO CONCERT 2022 THE 504月3日(日) 神奈川・神奈川県民ホール開場 16:00 / 開演 17:004月14日(木) 大阪・オリックス劇場開場 17:00 / 開演 18:00【チケット料金】全席指定:7,000円(税込)『HIDEKI SAIJO CONCERT 2022 THE 50』特設サイト:<リリース情報>西城秀樹 DVD BOX『THE 50 HIDEKI SAIJO song of memories』2022年3月25日(金) リリース価格:33,000円(税込)西城秀樹『THE 50 HIDEKI SAIJO song of memories』ジャケット西城秀樹『THE 50 HIDEKI SAIJO song of memories』展開画像※DVD7枚組※収録分数:450分※写真集ブックレット付属、豪華三方背BOX付Sony Music Direct 『otonano』特設サイト:
2022年01月07日お笑いコンビ・マヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)が、その年に圧倒的な活躍をみせた人を称えるアワード「GQ MEN OF THE YEAR 2021」に選出され24日、都内で行われた「GQ MEN OF THE YEAR 2021」フォトコールに出席した。メンズファッション・ライフスタイル誌『GQ JAPAN』(コンデナスト・ジャパン刊行)が毎年開催している同アワード。今年は「勇者たちの年」をテーマに受賞者を選出した。マヂカルラブリーは「メン・オブ・ザ・イヤー・ベスト・コメディ・デュオ賞」を受賞。村上は「生活を普通に一年してきて気づいたら選ばれていたのでラッキー」と喜び、野田は「予定では『キングオブコント』で3冠を獲るつもりだったんですけど、逃してしまいましたので、これで晴れて3冠ということに」と話した。○マヂカルラブリーの受賞理由野田クリスタルが動きに動きまくってボケる。そして、その動きボケに村上が小刻みにツッコみを入れるという新しい漫才スタイルを創出した。これは果たして漫才なのか? という議論をよぶアヴァンギャルドなお笑いコンビである。その価値紊乱的な“笑い“に、時代の新しい顔が覗いている。○「GQ MEN OF THE YEAR 2021」受賞一覧有村架純(メン・オブ・ザ・イヤー・ベスト・アクトレス賞)北大路欣也(メン・オブ・ザ・イヤー・レジェンド賞)北村匠海(メン・オブ・ザ・イヤー・ブレイクスルー・アクター賞)JP THE WAVY(メン・オブ・ザ・イヤー・ベスト・ラップ・アーティスト賞)志尊淳(メン・オブ・ザ・イヤー・インスピレーション賞)TOMORROW X TOGETHER(メン・オブ・ザ・イヤー・ポップ・アイコン賞)マヂカルラブリー(メン・オブ・ザ・イヤー・ベスト・コメディ・デュオ賞)役所広司(メン・オブ・ザ・イヤー・ベスト・アクター賞)ゆりやんレトリィバァ(メン・オブ・ザ・イヤー・ベスト・コメディアン賞)LEX(メン・オブ・ザ・イヤー・ブレイクスルー・アーティスト賞)阿部詩&阿部一二三、五十嵐カノア、都筑有夢路、野口啓代、堀米雄斗(メン・オブ・ザ・イヤー・ヒーロー・オリンピアン賞)
2021年11月24日「東儀秀樹×N響メンバーによる弦楽アンサンブル」が、12月3日(金)に愛知・三井住友海上しらかわホール、12月6日(月)に東京・紀尾井ホールで開催されることが決定した。本公演は雅楽師・東儀秀樹のデビュー25周年記念の一環となる。東儀と共に出演するのは、N響メンバーによる弦楽アンサンブル(コンサートマスター降旗貴雄)、Keiko(ピアノ)、スペシャルゲストにはヴァイオリニスト・川井郁子(東京公演)、和楽器バンド・神永大輔(名古屋公演)を迎える。東儀家は、奈良時代から1300年間、雅楽を世襲してきた楽家。幼少期から海外で暮らしていた東儀秀樹は19歳の時に雅楽を始め、天賦の音楽的才能を発揮。宮内庁楽部で活躍していた、あふれる個性で楽団外での活動も活発化させ、独立することになる。古典だけでなく現代音楽も奏で、雅楽を身近なものにしたことや、篳篥(ひちりき)や笙の存在を知らしめ、天上から降りてくるような神々しい音色を教えた東儀は今年デビュー25周年を迎えた。12月6日(月)に行われる、N響メンバーによる弦楽アンサンブルと、ヴァイオリニストの川井郁子との共演は、東儀にとって初の組み合わせ。東儀は川井のヴァイオリンを「スカッとする力強さと優美さを兼ね備えていて、とても表現の幅が広い」と評する。クラシックの枠を超えて、ラテンやタンゴも得意とする川井。演奏曲に「リベルタンゴ」も予定されていることから、情熱的なヴァイオリンが聴けそうだ。さらに今回のセットリストは多岐に渡り、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の主題歌「炎」(LiSA)をはじめ、幅広い世代が耳にしている楽曲も披露される予定だ。■名古屋公演日時:2021年12月3日(金) 開場18:00/開演18:45会場:三井住友海上しらかわホール (愛知)出演:東儀秀樹(雅楽師) / N響メンバーによる弦楽アンサンブル/Keiko(ピアノ)[ゲスト]神永大輔(尺八奏者/和楽器バンド)■東京公演日時:2021年12月6日(月) 開場12:30/開演13:30会場:紀尾井ホール (東京)出演:東儀秀樹(雅楽師) / N響メンバーによる弦楽アンサンブル/Keiko(ピアノ)[ゲスト]川井郁子(ヴァイオリン)
2021年11月17日野田秀樹の傑作、と出だしから絶賛では興醒めかもしれないが、本当にそう実感する衝撃の舞台『THE BEE』、その日本版が9年ぶりに上演中だ。野田が9.11アメリカ同時多発ゼロに触発され、ロンドン演劇人とワークショップを重ね、筒井康隆の小説『毟りあい』を下敷きに、初めて英語戯曲(コリン・ティーバンとの共同執筆)として発表した作品である。“報復=暴力の連鎖”をキーワードに、人間の奥底にある暴力性や残虐性、差別意識などを露呈させる戦慄のドラマは、2006年のロンドン初演からワールドツアーを経て、世界各地の観客に興奮と恐怖を味わわせて来た。今回の日本版では、これまでの『THE BEE』全公演で出演も兼ねて来た野田が、初めて演出のみに専念。事件に巻き込まれるサラリーマン“井戸”役に阿部サダヲ、脱獄囚“小古呂”の妻とリポーターを演じる長澤まさみ、百百山警部・シェフ・リポーター役に扮する河内大和、そして“小古呂”とその子ども、さらに刑事“安直”とリポーターまで巧みに演じ分ける川平慈英と、演劇好きにはたまらない魅力の布陣が、野田の緻密な采配のもとに新たな衝撃を生み出した。ごく普通のサラリーマンである井戸は、脱獄囚の小古呂に妻と子供を人質にとられ、自宅を占拠される。逆上した井戸は自らも小古呂の妻と子供を人質にして立てこもる。理不尽な報復の物語が展開するなかで、紙や鉛筆などの見立て小道具が観客の想像力を激しく刺激し、息詰まる恐怖へと導いていく。初日の舞台では、見立て小道具のゴムが切れるハプニングがあったらしい。これまでの日本版を観て来た筆者もそうだが、おそらく観客のほとんどがそのことに気づかなかっただろう。たとえストーリーを知っていたとしても、幕開きから一気に熱量の高い演技に引き込まれ、“何が起こるかわからない”緊迫の空気に支配されるからである。困惑、恐怖、混乱、衝動、狂気の目覚め、暴力の快感と、感情変化のスライディングを鮮やかに見せる阿部は、圧倒的な存在感で井戸=野田と刷り込まれていた筆者のイメージを軽々と塗り替えていった。バネの利いた動きと微細に変わる表情から目が離せない。長澤は明瞭な声の響き、惚れ惚れするほど均整のとれた体躯に、あらためて優れた資質を持った俳優だと感じ入る。さらに思い切りのいい表現が艶かしくも強く、美しい。河内のポジションは、前回の日本版上演時に野田が「一番テクニックを必要とし、難しい」と語っていたが、舞台を観ればその言葉に納得。実直であるほどにユニークかつ不気味、そんな味わい深い巧さが光る。さらに今回の発見はこの人、影が怖い。シルエットで恐怖を与える稀有な俳優だ。川平は、縦横無尽に様変わりする痛快さは彼の真骨頂だが、これまでの舞台では見たことのない悪の表情に驚かされた。それも、安直の狡猾から小古呂の自棄へ、違うタイプへの悪の転換が強く印象に残った。劇中で井戸を怯えさせる、タイトルでもある蜂は一体何なのか。野田曰く「ただの思いつき」だそうだが、井戸の中のわずかな正義か、倫理観か……恐怖に震える阿部の表情を見てそんなことを思う。そして蜂が封じ込められたことに安堵し、さらに激情をスパークさせる井戸の姿にゾッとする。なのに、笑いがこぼれる。暴力シーンに嫌悪感を抱きながら、微笑んでいたりする。自分が揺らぐ、とてつもなく恐ろしい75分である。2007年、2012年に上演された『THE BEE』日本版を観劇した人が、口を揃えて「あれは怖かった、ドキドキした」と目を輝かせるのは、自身を疑った痛みの記憶が、今も鮮明にあるから。消えない痛みを与える演劇、そう考えると、やはり傑作としか言いようがないのである。取材・文:上野紀子『THE BEE』大阪公演 ぴあアプリ先行抽選受付中!対象公演:12月16日(木) ~ 12月26日(日) 各公演受付期間:11月18日(木) 11:00まで⇓その他詳細は以下をご確認下さい。⇓
2021年11月12日阿部サダヲ、長澤まさみら新キャストを迎え、NODA・MAP作品としては初めて野田秀樹が演出に専念することでも注目を集めていた『THE BEE』9年ぶりの日本公演が11月1日、東京芸術劇場シアターイーストにて開幕した。本作は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件に触発された野田秀樹が、筒井康隆の小説『毟りあい』を題材に、ロンドンで現地演劇人とワークショップを積み重ね、書き下ろした英語戯曲。2006年にロンドンで初演され、2007年には東京で日本語版が初演。2012年にはイングリッシュバージョンを世界4都市、日本語バージョンを国内5都市で上演する海外・日本ツアーも敢行、これまでにNY、香港、エルサレム、パリなど10カ国14都市で上演、各地で称賛されてきた。「10秒に一度、何かが起こる……」をキーワードに、舞台から一切目が離せない野田秀樹の代表作にして最大の衝撃作ともいわれる本作で、濃密な舞台に挑む新キャスト4名・阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英、そして演出の野田秀樹より、初日終演後のコメントが届いた。これまで野田が演じてきたサラリーマン[井戸]役を演じる阿部サダヲは、「『失敗するとすぐ顔に出る』ってずっと野田さんに言われていたので、絶対そうならないように皆頑張ろう!って高校生みたいな気持ちでやった、県大会初戦みたいな初日でした。」と興奮気味に語りつつも「通し稽古を多くやって来たおかげで、舞台上では何が起こるかわからないということを十分経験して、今は何が起きても大丈夫になりました。」と自信をうかがわせた。阿部演じる[井戸]の妻を人質にとる脱獄囚・小古呂(おごろ)の妻役、長澤まさみも「通し稽古を何回もやってきたこともあって、初日という感覚があまりなく、冷静に集中できてよかったなと思っています。」と同じく稽古の充実ぶりをうかがわせた。2012年に『THE BEE』を観て衝撃を受けたという河内は「『演劇ってすごく想像力が豊かになって、カッコよくて、シビれる!』と思っていただけると確信しています。」とコメント。『フェイクスピア』に続きNODA・MAP作品出演となる川平慈英は、「非常に厳しいけれど、あえて今、必要なメッセージを出せている舞台だと思います。本当に10秒に1回、とんでもないことが起こるので、僕たちと一緒にとんでもないことを目撃しましょう。」と、あらためて本作の魅力をアピール。今回演出に徹した野田も「この作品がこれまで積み重ねて来たもの、それを的確にやれている役者さんとスタッフさんがいて、とにかく完成度の高い作品になりました。」と太鼓判。「これは、観ておいたほうがいい。若い演劇人はとくに観ておいたほうがいいんじゃないかな……って上から目線で恐縮ですが、本当に観ておいたほうがいいと思います。」と締めくくった。以下、キャスト4名&演出・野田秀樹の初日終演後コメント全文。NODA・MAP番外公演「THE BEE」(撮影:篠⼭紀信)【阿部サダヲ】今まで何回か通し稽古をやって来ましたけど、今日が一番良かったです。最初にゴムがパンッ!て切れて、それで皆が結束したように感じましたね。妙に燃えたと言いますか。「失敗するとすぐ顔に出る」ってずっと野田さんに言われていたので、絶対そうならないように皆頑張ろう!って高校生みたいな気持ちでやった、県大会初戦みたいな初日でした。通し稽古を多くやって来たおかげで、舞台上では何が起こるかわからないということを十分経験して、今は何が起きても大丈夫になりました。もはや客席で何が起きても大丈夫なようにそろそろなって来ていますので、客席で何か起こしてもいいです。嘘です。ぜひ集中してご覧いただけたらと思います。【長澤まさみ】通し稽古を何回もやってきたこともあって、初日という感覚があまりなく、冷静に集中できてよかったなと思っています。稽古で積み上げて来たものを、いつも通りにやること。それを目指してやっていったらゴムが切れて、その瞬間に皆が一致団結した感じがしました(笑)。私、2012年に『THE BEE』が上演された時に「絶対に観たほうがいいよ!」と言われたのに、見逃してしまったんですね。まさか自分がやることになるとは思わず……。その後悔を私は知っているので、ぜひたくさんの方に観に来てほしいなと思います。チケットが取れなくて大変だとは思いますが、当日券があります!なぜ観なかったんだろう……ってずっと悔いていた私が強くお勧めいたします。【河内大和】カーテンコールのお客様のエネルギーに圧倒されて、それに感動してしまいました。前回の2012年の『THE BEE』を観て「とんでもない作品だ!」と思った僕が、こうしてその舞台に立てている。本当に恐ろしいような、夢のような、震えっぱなしの初日でした。75分でこんなすごい体験ができることってほかにはないと思うので、これはとにかく観るしかないですよ(笑)。普段から演劇を観ていらっしゃるお客様もそうですが、演劇を観たことがない人がこれを観たら、ちょっと、もう、えらいことになっちゃうんじゃないかと。「演劇ってすごく想像力が豊かになって、カッコよくて、シビれる!」と思っていただけると確信しています。【川平慈英】今回のような負のスパイラルに嵌ったダークな役柄は初体験で、僕にとってはチャレンジングな芝居です。何か新しい引き出しを見つけられたんじゃないかなと思えて、本当に感謝ですね。初日はもっとナーバスになるかなと思っていたんですけど、劇場での通し稽古が充実していたので、今日、僕はとても楽しめました。俯瞰して見ていた自分が「慈英、お前は幸せだな〜」って(笑)。最後まで丁寧にやっていきたいですね。非常に厳しいけれど、あえて今、必要なメッセージを出せている舞台だと思います。本当に10秒に1回、とんでもないことが起こるので、僕たちと一緒にとんでもないことを目撃しましょう。劇場でお待ちしています。【演出・野田秀樹】この作品がこれまで積み重ねて来たもの、それを的確にやれている役者さんとスタッフさんがいて、とにかく完成度の高い作品になりました。……で、ありながら!毎日何かしらのハプニングが起きることも内包されている舞台です。今日はゴムが切れました(笑)。そうしたことも含むのが演劇というものです。決まりごとをやっていくものではない。完成度が高いのに、絶対に完成しない。やっぱり優れた、海外に通用するクオリティを持った作品だなとあらためて思いましたね。これは、観ておいたほうがいい。若い演劇人はとくに観ておいたほうがいいんじゃないかな……って上から目線で恐縮ですが、本当に観ておいたほうがいいと思います。NODA・MAP番外公演『THE BEE』東京公演は12月12日(日)まで、その後12月16日(木)から26日(日)まで、ナレッジシアターにて大阪公演を予定している。<東京公演>■日程:2021年11月1日(月)~12月12日(日)■会場:東京芸術劇場シアターイースト■料金(全席指定・税込):S席9,000円 U25席5,500円(25歳以下限定・要身分証)★全公演当日券あり!(詳細は公式HP まで)■主催:NODA・MAP■共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)<東京芸術祭2021参加作品>■問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681(平日11-19時)公式サイト: <大阪公演>■日程:2021年12月16日(木)~12月26日(日)■会場:ナレッジシアター(グランフロント大阪北館4階)■一般発売:2021年12月5日(日)■主催:NODA・MAP■後援:FM802 / FM COCOLO■運営協力:キョードー大阪■問合せ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681(平日11-19時)キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888(11-16時 / 日曜・祝日は休業)
2021年11月02日凶悪な脱獄犯が平凡なサラリーマンの妻と子を人質にした立てこもり事件。そこから起こる波紋を描いた舞台『THE BEE』。その驚愕の展開のみならず、紙や鉛筆など身近な小道具を別のものに見立てることで観客の目の前に予想外の世界を見せていく野田秀樹さんの演出は、世界各地で大きな衝撃を巻き起こした。その傑作舞台が新キャストを迎え、9年ぶりに国内で上演される。現代の闇、人間の二面性を描き出し、演劇の面白さと深さを味わえる大傑作!野田秀樹:稽古が始まって数日ですが、長澤さん素晴らしいですよ。もう少しできないと思っていたのに(笑)、ちゃんと自分で流れを掴んで、僕が言ったことをとても的確に、的確なテンションで出されるから。長澤まさみ:無駄のないダメ出しをピンポイントでいただけるおかげです。稽古時間が限られるなか、その場その場で解決して進んでいけている感じが楽しくて。それも周りの先輩たちがすごいんですけどね。とくに阿部(サダヲ)さんがまとめてくれて…。野田:井戸はテンションがコントロールできる役者じゃないとできない役だけど、サダヲはちゃんと自分のテンションを持っているからね。長澤:もともと好きな俳優さんですけど、もう場の操縦者みたいな感じで引っ張っていってくれるので安心感があって。ただ、こっちはついていくのに必死ですけれど。野田:いや、長澤さんもすごいですよ。この芝居は、それぞれの役者が何を思ってどう変わっていくかという動機がとても大切だと思っているんだけど、そこが的確だから。長澤:この作品って非日常を描いているようですけど、私は日常の中によくあることのような気がしているんです。自分の中にも二面性って存在していて、いつどういう状況で井戸さんのようになってしまうかわからない…そういう怖さを感じながら理性を保っていると思うから。それに、実際にあったことが気づけば目を向けられなくなって、まるでなかったことのようになっているのって、普段のニュースを見ていても思うことで。そういう普遍的なものが描かれているのかなって感じています。野田:まさにそれが、最初にこの作品を作ろうと思ったキーワードのひとつなんだよね。どんなに注目を集めた事件も1か月もあれば忘れられていく。事件が消費される。今って、消費することが良しとされているけれど、それがどんどん進んで浪費になっているよねって。ロンドンでこの作品を作っていた当初、消費の象徴として小道具に卵を使おうかってアイデアもあって。結果的に紙や鉛筆を使って歌舞伎なんかで取り入れられている“見立て”をしてるんだけど、この見立ての演出は世界に通用するとわかったのは収穫でした。長澤:視覚的にとても楽しい作品ですけれど、それを効果的にしているのが音ですよね。紙が破れる音や、俳優の動きから生まれる音とか息遣いが、お客さんの体感と連動して、深く記憶にこびりつくというか。野田:人間って何かひとつボタンを掛け違えると、誰でも堕ちていってしまう。価値観さえ揺らぐ。そういうことが底辺に流れている作品なので、広くいろんな人に届くといいなと思っています。NODA・MAP番外公演『THE BEE』ある日、平凡なサラリーマン・井戸(阿部)の留守中に、凶悪な脱獄犯・小古呂(川平)が井戸の妻子を人質にして家に立てこもるという事件が起こる。井戸は妻子を救出するために百百山警部(河内)率いる警察に頼るが、小古呂の妻(長澤)も巻き込み事態は思わぬ展開に…。11月1日(月)~12月12日(日)池袋・東京芸術劇場 シアターイースト演出/野田秀樹原作/筒井康隆~「毟りあい」(新潮社)より~英語脚本/野田秀樹&コリン・ティーバン日本語脚本/野田秀樹出演/阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英S席9000円ほかNODA・MAP TEL:03・6802・6681(平日11:00~17:00)大阪公演あり。ながさわ・まさみ1987年6月3日生まれ、静岡県出身。映画『マスカレード・ナイト』が現在公開中。映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』が来年1/14公開予定。ワンピース¥46,200(バウム・ウンド・ヘルガーテン/エスアンドティ TEL:03・4530・3240)スカート¥53,900(イザベル マラン エトワール/イザベル マラン TEL:03・5772・0412)ブーツ¥56,100(ロランス/ザ・グランドインク TEL:03・6712・6062)左手親指のリング¥96,800イヤカフ、上¥14,300下¥22,000(以上トムウッド/ステディ スタディ TEL:03・5469・7110)左手中指・薬指のリング¥13,200(ソワリー TEL:06・6377・6711)のだ・ひでき1955年12月20日生まれ、長崎県出身。NODA・MAP主宰。日本を代表する劇作家で演出家であり、現在、東京芸術劇場芸術監督を務めている。※『anan』2021年11月3日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・木村真紀(長澤さん)ヘア&メイク・佐川理佳(長澤さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年10月31日野田秀樹が2001年9月11日のアメリカ同時多発テロに触発され、筒井康隆の小説『毟りあい』を題材にロンドンの演劇人とワークショップを重ねた末に、初めて英語戯曲として発表した作品『THE BEE』。2006年のロンドン初演の後、日本語版が2007年と2012年に上演され、さらに2013年と2014年にワールドツアーを敢行。これまで世界10カ国14都市を巡り、各地を震撼させた衝撃作だ。“報復=暴力の連鎖”を鍵として展開する舞台は、いつの時代でも、どこの国にも共通する、人間の奥底に潜む闇の存在を浮き彫りにする。演出を手掛けながら、俳優としても脱獄囚の妻(英語版)、またはサラリーマン“井戸”(日本語版、2014年英語版)の役を演じて来た野田が、今回の日本語版では初の演出に専念。阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英の巧者4人とともにユーモアと戦慄の舞台を構築し、またもや観客を、彼ら自身の想像力で追い詰めようとしている。(阿部)サダヲは高いテンションの時が圧倒的に面白くて、人を引きつける――日本語版が上演されるのは9年ぶり。今回、野田さんは演出のみに専念されていますが、それは企画当初から決めていたことですか?日本でやるのは3回目ですから、これまで見て来た人が過去の舞台をなぞってしまうような気もするし、まあ、今やるのは体力的にもしんどいかもしれないと思いまして。稽古で(井戸役の)サダヲの動きを見ているとね(笑)。――前作の『フェイクスピア』(今年5〜7月)で弾け過ぎたとか……。いや、『フェイクスピア』は出ているのが短時間だから、“代打”は出来るんです。全試合はちょっと無理なんです(笑)。『フェイクスピア』は自分でも楽しんでいましたけど、それでも舞台袖に入るとヘロヘロでしたからね。――今回のキャストの皆さんについてお伺いします。事件に巻き込まれるサラリーマン“井戸”役の阿部サダヲさんは、前回の日本語版上演をご覧になったそうですね。『THE BEE』メインビジュアル中央は今回[井戸]役を演じる阿部サダヲそう、松本に観に来てくれてね。だいたい楽屋に来るタイプじゃないのに、珍しく来て、結構興奮していたんです。もともとそんなに喋るタイプじゃないから、「……面白かったです」くらいだったけど(笑)。その時に「次にやる時は井戸の役、サダヲがいいと思うけど」って話をしたのは覚えています。今稽古をしていて、思っていた以上にハマっていますね。井戸の役というのは、頭から最後までずっと出ていながら、自分でテンションと集中力をコントロールしなくちゃいけない。そういうほとんど演出の作業に近いことをしないといけなくて、サダヲはそれが出来るんです。とくに、高いテンションの芝居が出来るかどうかは天性的なものだと思うんですよね。高いテンションって人間を見苦しくさせたりして、見ていて引いちゃうことが多いけれど、サダヲの場合は高いテンションの時が圧倒的に面白くて、人を引きつける。とてもいいですよ。巧者揃いの新キャスト――脱獄囚“小古呂(おごろ)”の妻を演じる長澤まさみさんは、NODA・MAP初参加になりますね。そうですね。ワークショップに来てもらって、その時にとてもいいなと思ったのと、ずいぶん前に宮沢りえさんから「すごくいい女優さんなのよ」と紹介されたことがあったんですよ。もちろんいい女優さんなのは知っていたけど、信頼する役者さんが紹介してくれる役者さんは、やっぱりいい人が多い。そういう役者さんが「ダメ」っていう人はやっぱりダメなことが多いし。(一同笑)ワークショップに来て、たたずまいとか、思い切りとか、声にどんな色を持っているか……とか生で聞かないと、それは映像ではわかりませんからね。もう2年くらい前にオファーしていたんです。それから2年で、長澤さんの女優さんとしての評価がさらに上がったので嬉しかったですね。しかも、その間にサダヲと2回くらい仕事しているしね。――脱獄囚の“小古呂”やその子供などを演じる川平慈英さんは『フェイクスピア』からの続投、そして“百百山(どどやま)警部”やリポーターなどを演じる河内大和さん。このおふたりは役柄が逆だと予想していたんですが。『THE BEE』キャスト 上段左から阿部サダヲ、長澤まさみ下段左から河内大和、川平慈英皆、そう思うみたいです。前に小古呂をやったのが近藤良平だから、見た感じで皆、河内がハマりそうと思うんだろうけど(笑)、でも稽古が始まってみたら、やっぱり僕の目に狂いはなかったですね。慈英がやると、あ、小古呂はこういうことかもな……と新たに気づくくらい全然違う小古呂像になって、見ていて可哀想で、面白い(笑)。子供を演じている時の顔とかも、とても切なくていいですよ。あまり過剰にいろんなことをしない。慈英がこれまで演じたものとは違う、珍しい役どころで、たぶん慈英の中では「こういうことも自分は出来るんだ」と思っているんじゃないですかね。――河内さんは、アンサンブルとして『エッグ』、『MIWA』、『「Q」:A Night At The Kabuki』とNODA・MAP公演で活躍され、近年さまざまな舞台で印象を残しています。そう、昨年の『赤鬼』(東京芸術劇場主催「東京演劇道場」公演)にも声をかけて、ミズカネ役をやってもらいました。河内はやっぱり身体性が強いのと、上手い……っていうのは褒め言葉にならないと思っていたけど、こんなに芝居が上手いんだな〜ってくらい、上手いですね。非常に柔らかくて、これは私がよく使う言葉ですけど、“揺れるけど、ブレない”。いい役者って、まったく同じことをやっているようで、微妙に揺れていて毎回違う。それが素晴らしいんです。ブレるヤツは、いきなりゴーンと変えたりするのが芝居だと思っている。それは違うんだよね。河内は、たとえば相手が唾がたまって0.何秒か遅れた時に、微妙にクッションのようになって受ける、そういう芝居が出来るんです。あと、彼は見た感じの色気があるんじゃないですかね。僕の舞台を観た人に「あの役をやった人、誰!?」って河内のことを結構聞かれましたからね。報復の連鎖はなぜおきるのか――この作品では初めて演出に専念していることで、稽古場での新たな発見はありますか?昨日、発見しましたね。井戸と小古呂の妻、この二つの役はやって来たのでかなり洞察しているんですけど、小古呂の役を意外に客観的な目で見てないなあ、というのがわかりましたね。そうか、刑務所から脱走して初めて女房の声を聞いたのは、この電話のこの瞬間なんだということを今頃……スイマセン、初演から15年経って気がつきました(笑)。作品としての印象は、内側から見ても外から見ても、意外に違わない……ってことが意外かな。自分で言うのもナンだけど、やっぱり面白いなと感じましたね。75分くらいで終わるので、これを観て眠れる人はたいしたものだなと。ある意味、客席にそういう人を見つけたいと思う(笑)。それくらい、始まったらワ〜〜ッて引き込まれて、「いつか落ち着けるんじゃないか」「いつか安心感をもらえるんじゃないか」と思っているうちに、引きずり込まれて終わる(笑)。それは間違いないなと。――小古呂の妻に対する暴力描写など、初演時からフェミニズムの観点でも物議を醸していましたが、今はさらに、観客の作品に対する見方が敏感になっていると思われます。そう、今、これを観て嫌う人はいるだろうと思います。フェミニズムの見地から言うと、とんでもないと。もちろん性差別の立場ではないということは理解してもらえるにしても、生理的に嫌だなと感じる人はいるかもしれない。役者にも「もしかしたら途中で退席する人がいるかもよ」とは言っておきました。海外の公演では、はっきりスッと立って帰った人がいましたね。見方が敏感な今だからこそ、かえっていいのかな、とも思います。差別意識なんてないかのように過ごそうとするけれど、やっぱり人間には……私も含めてですけど、根底にあるそうした意識に気づく瞬間がある。原作小説で筒井康隆がそういう人物を書いている、だから「そういう人がいる」とはっきり出てくることがこの作品の特徴ですからね。初演当時は、9.11とイラク戦争の流れがあって、報復の連鎖の話であることが強調されたと思うけど、本来の主眼は、なぜそれが起きるのかということ。人間の持つ暴力性ですよね。暴力はいけないと理性ではわかっていても、実際にその当事者になった時、どんな行動に出るのか。今回は、そうした人間の根源的な部分に目がいくような気がします。――ワールドツアーでは、土地によって受け止め方に違いがあったりしたのでしょうか。観客側の反応や批評などは、どこもほとんど良かったことはむしろ驚きでしたね。普通は好き嫌いがありそうなんだけど。ただ意外に思ったのは、ニューヨークの人間は「これは自分たちの話だ」とは思わなかった、全然そういう感覚ではなかったということ。それはちょっとびっくりした。イスラエルでやった時は、観客がすぐに「自分たちの話だ」と感じて、重々しい雰囲気になっていました。余談だけど、イスラエルで床屋に行ったら、「何をやってるの?」と聞かれたので「芝居だ」って言ったら、「どんなものをやってるの?」と。内容をかいつまんで話したら、床屋さんが「ちょっと」って途中でやめて店を出て行っちゃって。タバコ一本吸って、また戻って来て「……でも、俺たちはどうすればいい?」って。日本のサラリーマンの話だと言っているのに、自分たちの話だとすぐにわかっているわけですよ。ニューヨークの人間はあまりそう感じてなかった。報復に対してNOをはっきり示している人間が多いので、もう自分たちはその問題を超えていると思っているのかもしれない。「でも、あなたの国の話でもあるんですよ」と言いたいですけどね。「人間の信じているものの脆さは今、はっきりと出てくるかもしれない」――9.11に触発されてこの作品を作られて、日本で2012年に再演した時は、前年に東日本大震災がありました。そして今回はコロナ禍で。偶然ではあるけれど、観客はどうしても出来事に重ねて作品を観てしまうところはあるんじゃないかと。まあ、何をやってもその時代の出来事がかぶさってくるんじゃないかな。作品そのものが、そうした意味を見出させるのかもしれない。今回、稽古に入る前に台本を読んで思ったのは、今の「マウントを取る」という世界と、井戸と小古呂が「俺はお前より上だ」とやり合う世界は、非常に近いんだなあと思いましたね。――2012年の時の取材で、野田さんが「世界が崩れていくさまを、どうお客さんが受け止めるか」とおっしゃっていたのが印象的でした。あ〜確かに。世界の崩壊感というのは皆、微妙に感じるでしょうね。でも、2012年の時は、よもやそういうことは起こらないと思っていて崩壊した感があったけど、今は、崩壊すべくして崩壊しているようなところがあって、逆に妙に納得するかもしれないですね。つまり、自分で壊していっている世界ですよね。コロナへの対処の仕方とか、人間が価値観を変えていっているじゃないですか。「今日は人が2倍も出ました!」って怒っているわけじゃない?人がたくさん街に出て、人と人が出会うって素晴らしいことだったのに。マスクなんて、皆いつ取ってくれるんだろうってドキドキしちゃう。ちょっとコンビニ行くのにマスクするの忘れて歩いていたらジロッと睨まれたり。こんなにも価値観が変わっている……ってことがこの芝居とどれくらい関係あるのかって話だけど(笑)。ただ、これは75分のあいだに、井戸という人間の今までの価値観が崩壊し、ガラッとすべてが変わる。そういう意味では、人間の信じているものの脆さは今、はっきりと出てくるかもしれないですね。――この作品を観て来た人が新たに何を感じるかも気になりますし、今回『THE BEE』を初めて観る人もきっと多いと思います。これはもう観てもらうしかない、そんな気がしますね。演劇を知らない人は、演劇というものに対する感覚が変わると思うし、芝居をやっている人間にとっても、演劇観が揺らぐくらいのインパクトがあると思います。本当は、前情報を何も知らずに観てほしい(笑)。――こんなにたくさんお話していただいたのに(笑)。大丈夫、ここで語ったことを遥かに超える舞台になると思いますので(笑)。取材・文上野紀子撮影(野田秀樹):源賀津己【よくばり❣ぴあニスト】限定『THE BEE』公演パンフレットを3名様にプレゼント!ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=8681acbf-6176-4c73-8534-dc65dcb7b04d&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。※申し込みには「よくばり❣ぴあニスト」の登録が必要になります。※「よくばり❣ぴあ二スト」に初めてご登録された方を対象に、1ヵ月の無料購読体験期間を提供します。NODA・MAP番外公演『THE BEE』演出:野田秀樹原作:筒井康隆(「毟りあい」(新潮社より))英語脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン日本語脚本:野田秀樹出演:阿部サダヲ長澤まさみ河内大和川平慈英【東京公演】2021年11月1日(月)~2021年12月12日(日)会場:東京芸術劇場シアターイースト【大阪公演】2021年12月16日(木)~2021年12月26日(日)会場:グランフロント大阪北館4階ナレッジシアターチケット情報
2021年10月24日お笑いコンビ・マヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)が10日、東京・渋谷区で実施されたコンテスト「トイザらス ドリームおもちゃクリエイター」小学生の部 最終選考会・表彰式に玩具コレクターの北原照久氏とともに出席。2日に開催された『キングオブコント2021』を振り返り、「また来年出て、バチボコ分からせないとダメですね。バチボコ分からせます」と雪辱を誓った。初開催となる同コンテストは、日本トイザらスの日本上陸30周年記念イベントの一環。子どもたちの創造性と想像力を最大限に引き出すことを目的に、夢のおもちゃのアイデアを募集。マヂカルラブリーの2人は、特別審査員として、小学生の部で総勢2031作品の中から選ばれた10組の最終選考作品を選考した。本イベントにちなんで、誰に何のグランプリをあげたいか問われた野田は、『キングオブコント』に言及。「チャンピオン以外にもグランプリをあげたい。(あげるなら)ザ・マミィですかね。あんなに吉本(の芸人)がいる中で、吉本の芸人7組をブチ倒している。『吉本倒したで賞』をあげたい」と述べた。『M-1グランプリ』を制し、『キングオブコント』で2冠を目指したマヂカルラブリー。野田は『R-1ぐらんぷり』でも優勝しており、3冠を狙っていた。だが、決勝戦ファイナリストに名を連ねるも、2本目のネタを披露できる上位3組には選ばれなかった。野田は「歴代の中でも相当レベルが高かったとまわりが言ってくれた。それにまざれたことがうれしい。でも僕は、あの出場者の中で一番先輩だった。今も悔しい。来年までずっと悔しいと思う。この悔しさをなくすには、また来年出て、バチボコ分からせないとダメですね。バチボコ分からせます」と雪辱を誓った。ゲームクリエイターとしても活躍する野田。創造力の育み方、クリエイターに大切なことを問われて「一番大事なのは熱量。とにかく熱意が大事。『知識不足』だの『そんなの実現できるか~い』だの、大人たちにたくさん言われると思う。そんなこと言ってくるやつはバイ菌だと思ってください。実現できるかどうかはそいつに分からない。妄想を止めないでほしい」とエールを送った。
2021年10月10日野田秀樹が2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件に触発され、書き下ろした英語戯曲「THE BEE」が2021年秋、阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英という新キャストを迎えて新たに上演されることになった。家路を急ぐ平凡なサラリーマン[井戸]が我が家の前で遭遇したのは警察とマスコミの喧騒だった。脱獄囚[小古呂]が井戸の妻子を人質にとり、井戸宅に立てこもっていたのだ。[井戸]は妻子を救出しようと、どこか頼りない警察と共に行動を起こすが、事態は思わぬ展開へ…。野田氏が筒井康隆の小説「毟りあい」を題材に、ロンドンで現地演劇人とワークショップを積み重ねた今作。初演は2006年のロンドン。2007年には東京で日本語版が初演され、本作はこれまでにニューヨーク、香港、エルサレム、パリなど10か国14都市で上演、各地で称賛されてきた、野田氏の代表作にして最大の衝撃作。新キャストに名を連ねるのは、阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英といういずれ劣らぬ実力派4人が集結。そして、これまで「THE BEE」全公演に出演してきた野田氏は、今回初めて演出に専念する。9.11に象徴される“報復=暴力の連鎖”は、いつの時代、いかなる国や地域でも絶えず蔓延り、繰り返され、今日も止む気配はない。そこに「THE BEE」が世界の観客から支持された理由がある。この秋に登場する新生「THE BEE」に注目だ。NODA・MAP番外公演「THE BEE」【東京公演】11月1日(月)~12月12日(日)東京芸術劇場シアターイーストにて、【大阪公演】12月16日(木)~12月26日(日)ナレッジシアター(グランフロント大阪北館4階)にて上演。(text:cinemacafe.net)
2021年09月07日