ハリウッドでの成功を渇望する男に“プリンス”田代万里生が挑む
ハリウッドの光と闇をリアリティ豊かに、かつスタイリッシュに描いた名作映画『サンセット大通り』(1950年)。その哀愁はそのままに、ブロードウェイのヒットメーカー、アンドリュー・ロイド=ウェバーが1993年に舞台化、作品賞などトニー賞で7部門を受賞したのが、この同名ミュージカルだ。待望の日本版初演に際し、安蘭けい、田代万里生、鈴木綜馬、彩吹真央ら華も実力も備えたキャストが集結。演出は、人間ドラマを深い視点で描き、多くの演劇賞を受賞している鈴木裕美が担当する。今回、“日本ミュージカル界のプリンス”と称されながら、成功を求めてあがく脚本家ジョーという“汚れ役”に挑む田代万里生にその胸中を訊いた。
『サンセット大通り』チケット情報
本作についての印象をこう話す。「ドラマや映画のミュージカル化は『××のリメイク』という風にとらえられがちですが、この舞台は原作の映画がもつテーマを、クラシックをベースにした多彩な楽曲で表現しているから単体で完成されているんですね。コントラバスの不気味な音が響く中での会話や、音がシン……と止んでいる空白ですら、作曲家ロイド=ウェバーの計算のうち。
そんな細かなスコアからも芝居のヒントを得ながら、ジョーという役を作っていきたいです」。