「ソニーは、技術的に優れているうえ、グローバルな精神を忘れない。まさにポストシアターの手本となる存在だと感じた。『Heavenly~』は、最初ベルリンでアイデアが生まれましたが、その後NYでオーディションを行い、東洋人のキャストを選ぶという、まさに国際的な展開が実現しました」。
四方を客席に囲まれた舞台に登場するのは、井深、盛田を演じるふたりの俳優と女性ダンサーの3人。時に“重役会議のテーブル”に見立てられ、時にビデオ投影のスクリーンとしても使用される立方体のステージが、日本の弁当箱のイメージから生まれたというのが面白い。そう、『Bento』とは弁当のことで、タイトルを訳すと“天国の弁当”になる。「井深さんと盛田さんは、言ってみれば弁当の中身。それに井深さんは、トランジスタ・ラジオを作る際、サウンドを詰め込んだ弁当を意識したといいます。
日本の食の文化を音響機器に応用したんです」。
「今の日本はあまり元気がないようですが、井深と盛田の生き方に触れれば、皆さんもきっと何かを得られると思います」とシューマッハーが語るように、チャレンジをためらわず、ひたむきに夢を追い求めた彼らの生き方に,学ぶことは多いかもしれない。東京・青山円形劇場にて7月4日(水)から8日(日)まで上演。
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