山本耕史演出版による、新生『チック、チック...ブーン!』がついに開幕!
作品を熟知した山本だけに、彼の苦悩はもちろん、たっぷりの皮肉とユーモアを散りばめ、物語のメッセージ性、エンターテインメント性をより際立たせる。それは訳詞を手がけたナンバーにも表れており、ジョナサン・ラーソンの楽曲にしっかりと寄り添いつつも、日本語のおもしろさ、美しさを強く印象づける。
荒削りながら、キュートで切ない女性像を丁寧に演じ切ったのは、スーザン役のすみれ。中でもソロナンバーで披露した高い歌唱力には、今後の飛躍を大いに期待させる。マイケル役のジェロは、これが2度目のミュージカル出演。楽曲はロックだが、彼の根底に流れる演歌の血が、その歌に深みと独特の哀愁を与えていた。
「すごく心が強くて、安心出来るおふたり。緊張はしていますが、本番でも稽古同様、みんなとhave funしたいですね」とすみれが、「毎日稽古場に行くのが楽しくてしょうがなかったです。
リスペクト出来る山本さんの指導のもと、勉強出来ることもたくさんありました」とジェロが語るように、非常に充実した稽古の日々を送ってきたふたり。そんな共演者について山本は、「俳優としての経験は決して豊富ではありませんが、その吸収力がすごい。僕自身、とても刺激される毎日でした」