養豚業に賭ける男の一生に、これが舞台復帰作となる渡辺徹が挑む
最後まで一緒に過ごすウィリアムに対しては、お父さんのような、または頼れる年上の男性のような……いろんな感情が入り混じっていると思うので、その行間を徐々に埋めていきたい」と稽古に入るのを心待ちにしている様子だ。
演出は、演劇集団円の演出部に所属し、自ら主宰する劇団モナカ興業でも活躍する森新太郎。まだ30代半ばながら、名戯曲といわれる諸作品に正面から取り組みつつ、現代に生きる者としての目線も忘れない演出で高い評価を得てきた。
文学座に籍を置く渡辺は、「テキスト(台本)を読み込むことがどんなに大切かは、森さんや僕のような劇団員には身に染みてわかっていること」ときっぱり。続けて「円の知り合いに聞いたら、稽古場で役者にじっくりと汗をかかせてくれる演出家さんだということなので、そこも期待しています」と嬉しそうな表情で語る。森が以前演出した『ゴドーを待ちながら』を観たという小島は、「あの難解だといわれている作品がストンと腑に落ちたんです。シンプルで飾らない演出だけれど、とても魅力的でした。今回もイギリスの壮大なストーリーをお客様にゆったりとした気持ちで楽しんでもらえれば」と話していた。
舞台の現場は約8か月ぶりとなる渡辺。