集団の狂気と個の対立を鋭くえぐる―ブリテンの傑作オペラ「ピーター・グライムズ」が新国立劇場で上演
今回のウィリアム・デッカーによる演出は、1994年にベルギーの王立モネ劇場で初演され、2004年の英国ロイヤル・オペラの上演でローレンス・オリヴィエ賞(イギリス版のトニー賞と言われる)にノミネートされたほど、演劇的要素も色濃い。ピーター・グライムズ=悪役という紋切り型では決してなく、閉鎖された社会での集団心理が生む狂気と個の対立を鋭くえぐる手法で、現代社会の闇を浮き掘りにしている。
公開舞台稽古では、ブリテンの本場英国も羨む充実のキャストたちが登場。激しい気性と繊細な心根をもち、不器用すぎるが故に集団に溶け込めない不幸なピーター・グライムズを演じたスチュアート・スケルトン、ピーターを献身的に支える女教師で未亡人のエレン・オーフォードを演じるスーザン・グリットンらがいずれも好演。イギリス・オペラ界の重鎮リチャード・アームストロング指揮のもと、言葉を重視した人物の心情描写、冷たく荒くれた海をはじめとするスケール感のある情景を描いたブリテンの音楽を、巧みに表現してみせた。新国立劇場オペラ「ピーター・グライムズ」は、10月2日(火)から14日(日)まで全5公演を開催。チケットは発売中。
56歳・飯島直子、等身大のグラビアショットが「めちゃくちゃキレイ」「色っぽすぎ」と反響