と注文することも忘れなかった。
SBWは己にも厳しい。「私の描く理想の12番に到達することは一生ないと思います。なぜなら、80分間にわたり完全に試合を支配できるセンターが理想だからです。ただ、その理想とするセンターに少しでも近づくために、日々努力しています」
世界一のセンターは謙虚でもある。代名詞であるオフロードパスの極意について問われれば、「オフロードが機能するには、チームメイトのサポートがなくてはならない。幸いパナソニックには私がオフロードを出そうとしている気配を感じてくれる選手がたくさんいます。多くのサポートを受けていることをうれしく思う」と感謝の念を述べる。
SBWはチャレンジし続ける。13人制のラグビーリーグで育ったSBWは5年前に15人制のラグビーユニオンへ転向。昨年はNZ代表オールブラックスの一員としてW杯優勝に輝いた。南半球最高峰のスーパーラグビーでも頂点に立ち、今回の日本行きを決め、トップリーグの今季終了後にはラグビーリーグへ舞い戻る。一方ボクシングNZヘビー級チャンピオンの顔も持つ。まさにスポーツ界の常識を覆す活躍だが、当の本人にその自覚はない。
「先のことを見てしまうといろんなことがあり、とても困難に見えてしまう。