寺山修司と松本雄吉のコラボにキャストも興奮! 八嶋智人が『レミング』を語る
寺山修司没後30年、PARCO劇場40周年を記念して、4月21日(日)から『レミング~世界の涯まで連れてって~』が上演される。演出を託されたのは、維新派の松本雄吉。音と空間を存分に活用して観客を異世界と誘う名人の登板となれば、寺山作品に愛着がある人にとっても、驚きと発見に満ちた体験になるのは間違いない。その仕上がりを探るため、稽古場を訪れ、出演者の八嶋智人に話を訊いた。
演劇実験室◎天井棧敷によって1979年に初演、1983年に劇団の最終公演として改訂再演された『レミング』をもとに、今回は松本と少年王者舘の天野天街が共同で上演台本を仕立てた。「楽譜に近い、見たこともない台本でした」と八嶋は言う。“ヂャンヂャン☆オペラ”は、変拍子のリズムでセリフを連ねていく維新派ならではの表現スタイルで、台本には、言葉を発するタイミングやテンポが細かく記されているのだ。「5拍子や7拍子に慣れていないので最初は戸惑いましたけど、体に馴染んでくるとこれほど気持ちのいいグルーヴはない。
同じフレーズを繰り返していても、滞らないというか、独特の高揚感があるんですよね」。
人々を隔てていた壁という壁が消失し、すべてが混沌のうちにつながってしまった都市の物語。