くらし情報『終戦から取り残された樹上の日本兵が見たものは? 藤原竜也主演『木の上の軍隊』が公演中』

終戦から取り残された樹上の日本兵が見たものは? 藤原竜也主演『木の上の軍隊』が公演中

動けない中でも新兵の無垢な姿を生き生きと演じる藤原と、体面を重んじ恥の多い人生を送ってきた、山西の演じる上官のコントラストが見事。国のためと大義を語る上官と、故郷であるこの島を守るために戦うことを志願した新兵。ふたりだけの同じ極限状態を共有しているものの、お互いが見つめているものはまったくちがっており、ずっと近くにいながらも心の底ではわかり合うことができない人間関係は、決して戦時中の特別なものではなく、現代の生活の中にも通じる普遍的なドラマとして心に訴えかけてくる。

劇場内を見渡してユニークなのは、せり出した舞台のすぐ真横に設けられたステージサイドシートだ。上手と下手にそれぞれ9席ずつと席数は少ないが、舞台の最前面より奥側に設置されており、役者の横顔や後ろ姿など、通常の席では観ることができない角度から舞台を楽しむことができる。俳優との距離が近く、シーンによっては山西の肩越しに、藤原が自分に対してセリフを言ってくれているかのような臨場感を味わえるのも、この席ならではの楽しみ方だろう。このステージサイドシートは現在上演中のシアターコクーンのみの席種であり、俳優陣の演技を間近で楽しみたいなら、またとない機会である。

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