紅白歌合戦で圧倒的存在感を見せつけた美輪明宏が音楽会を開催
昔はルンバやボレロ、タンゴなど音楽にも様々な種類があって、メロディを聴いただけで“あの曲だ”とわかる名曲がたくさんあったのね。もし『紅白~』で興味を持った人がいるなら、ぜひ音楽会でそういった曲の数々に触れてみてほしい」
実は、“日本初のシンガーソングライター”でもある美輪。「ヨイトマケ~」が炭鉱町のコンサートでの経験をもとに作られたのは知られているが、他にも身体障害者の愛を綴った「愛の贈り物」、従軍慰安婦の心情を生々しく描く「祖国と女達」など、知る人ぞ知る名曲が存在する。「せっかくだから今年は、そういった曲もいくつか歌おうと思っています。『祖国と女たち』は、戦後引き上げてきた元従軍慰安婦の女性たちの話を思い出して作った曲。あの頃、地方の貧しい娘が『満州にいい仕事がある』と言われたら、家族を食べさせるために行くしかないですよ。内容を知らずに行ったら、仕事は“従軍慰安婦”で、現地で死ねば遺体は野ざらし。命からがら帰国したら、汚らわしいと親戚や土地の者から罵倒されて…。
こんなにおかしいことはないですよ」と、美輪は静かだがきっぱりとした口調で語った。
インタビューの終盤、美輪は「私は売り上げのことなんて考えたことはないの。