戦術を詰められなかったのはクラブとしてプラスにならなかったが、日本代表が2試合とも勝利するとともに、遠藤と今野はゴールを決めるなど、気分良くチームに合流している。
G大阪戦に3週間を費やすことができた浦和としては、引き分けでもOKと思えるか否かが鍵となる。「絶対に勝つ!」「今回優勝を決める!」という強い気持ちは、時として多大な重圧になることがある。ただ、今季のペトロヴィッチ監督の采配を見れば、その不安は杞憂に終わるだろう。第30節・鹿島アントラーズ戦で指揮官は1-1で試合を終わらせた。試合後、G大阪とのポイント差が3になったことを問われた監督は、「サッカーにおいては決して慌てるポイント差ではない」と明言した。指揮官も選手たちも、大人のサッカーを具現化しつつある。
首位・浦和に勝点7差の3位・鹿島、8差の4位・サガン鳥栖も優勝の可能性を残す。
奇跡の大逆転を果たすためにも、5位・川崎フロンターレをホームで迎え撃つ鹿島、最下位・ヴォルティス徳島の本拠地に乗り込む鳥栖は、とにかく勝点3を積み上げるのみ。浦和が満員に膨れ上がったサポーターの声援を受け歓喜の瞬間を迎えるのか、G大阪が待ったをかけ3冠達成に可能性を残すのか。