朗読劇の可能性に相葉裕樹ら若手実力派キャストが挑む
ストレートプレイはもちろんミュージカル版でも知られる本作だが、今回は朗読劇。「相葉さんがメルヒオールを演じるなどメインの配役はありますが、すべての役とト書き、動物の鳴き声など効果音もキャスト全員で演じてもらう予定」と、高橋が意外な構想を口にした。朗読劇とは、衣装や大道具という舞台を構成する要素を最小限に押さえた演劇。逆にいえば演じ手が瞬時に他の役どころに変わることも可能で、その分観客の想像力に委ねられる“余白”が大きくなる。話を聞いていた相葉は「それって、役者の力量が問われるということでもありますよね」と表情を引き締めた。
上演台本は、高橋いわく「文体に硬さと強さをもつ」劇作家の鐘下辰男に依頼。より現代語に即した訳になっているとあって、キャスト陣からも「100年以上前の作品なのに、台本を読んでいると登場人物一人ひとりに共感できるポイントが見つかるのが不思議です」(木戸)、「僕も学校生活に違和感があって、重要でない話に適当に合わせるのが苦手だったことを思い出しました」(栗原)と好評の様子だ。相葉も「苦しいくらいの自我と性の目覚めは誰にでもある感覚だと思う。
メルヒオールのまっすぐに行動する部分は僕自身にはないので、うらやましくもあります」