くらし情報『キャラメルボックスの30周年公演、第一弾が開幕!』

キャラメルボックスの30周年公演、第一弾が開幕!

一方の『パスファインダー』は、脚本・演出家の成井豊が書き下ろした新作。39歳の研究員・笠岡光春が、23年前に亡くなった兄の秋路(しゅうじ)に会うため、タイムスリップする物語。キャラメルボックスが得意とする“家族”の絆を軸に、そこで出会った少女リンとの不思議な縁が描かれている。39歳になっても「世界を変えるような発見」もできず、焦燥感に駆られる光春。しかし彼が過去に戻ることで、いろんな人の人生や心境に影響を与え、自分自身も変わっていく。岡田達也がその光春の姿を丁寧に表現している。また、客演に迎えた陳内将が、周囲から理解されずとも、やりたいことに突き進む秋路を好演。ナチュラルにキャラメルボックスの世界観に溶け込んでいる。


両作とも、テンポ感の良さが心地良い。主人公はほぼ出ずっぱりで、ライティングの切替えを駆使しながらシーンを展開。緊迫感の中にも随所に笑いを交え、緩急つけた演出で楽しませてくれる。西川浩幸はクロノスに人生のすべてをかける研究者・野方役として、どちらの作品にも出演。同じ役ながら、『クロノス』ではピリッと舞台を締め、『パスファインダー』ではコミカルさを交えて柔軟に演じ分け、ベテランの貫録を見せる。

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